★★★☆☆
あらすじ
留守中に愛する娘を何者かにさらわれ殺された今はかたぎの男。復讐のためかつての仲間たちと共に犯人を捜す。
感想
裏の世界で生きていた当時の仲間二人と犯人捜しを開始する主人公。二人の仲間はいずれも妙に男臭いのだが、中でもバーの店主を演じるマックス・ライアンが良かった。ジェイソン・ステイサムのような存在になれそうな気がするが、これまであまり出演作も多くなく、悪役などが多かったようだ。
三人の男たちの手荒い犯人探し。まず話し合いではなく、いきなり全力で殴りかかっていく。それ自体は気持ちいいのだが、一向に犯人に近づいている手ごたえがないのがもどかしい。思うように手掛かりを得られない主人公たちは、強引に目星をつけた相手に迫る。
やがて相手組織も反撃をはじめ、なかなか進捗しない犯人探しに仲間も疑いだす主人公。仲間の一人が組織に捕まったのに、助けようともせずにもう一人の仲間を疑って責めるなんて、何やってんだとイライラした。
やがて事件の真相が明らかになり、主人公の予想が全く外れていたことが判明する。それが分かると、少し脱力してやらかしちゃったなという気分に包まれる。そもそも主人公が最初に銃のありかに気づいていればこんなことにならなかった。
復讐物語としてみるとモヤモヤしてしまうのだが、これは復讐などするものではない、という戒めの物語なのだなと考えるといろいろ納得は出来る。振り返ってみると、誰もが復讐など考えるな、警察に任せろと言っていた。正確には、今はかたぎの男が復讐など考えるな、か。確かに主人公が足を洗わずそのまま裏の世界にいれば、すぐに銃のありかに気づき、本当の犯人の目星も付いていたはずだ。
しかし正確に犯人にたどり着くも、復讐なんてむなしいだけだ、と気づくパターンは割とあるが、全然犯人にたどり着かずに明後日の方向で暴れまわる復讐物語は珍しい。現実世界ではよくあるのだろうが。
痛快な復讐物語を期待していると裏切られた気分になる映画ではある。
スタッフ/キャスト
監督 パコ・カベサス
出演 ニコラス・ケイジ/レイチェル・ニコルズ/マックス・ライアン/マイケル・マグレイディ/ピーター・ストーメア/パシャ・D・リチニコフ/オーブリー・ピープルズ/ダニー・グローヴァー
撮影 アンジェイ・セクラ