★★★☆☆
あらすじ
20年前に自分を拷問したテロリストの情報を入手したベテランCIA捜査官。
感想
冒頭のニコラス・ケイジの演説が良い。彼は、こういう芝居がかった演技をさせると笑えるようで何故かカッコいい。この際どい絶妙のラインにいるのが彼の持ち味だ。その他のシーンでも独特の演技で存在感を放っている。
足取りを掴んだ怨みのあるテロリストを追いたい主人公。しかし、すでに彼は現場から事務仕事に回されており、上司に訴えても先方はすでに決着済みとやりたくなさそうな雰囲気。さらには触れてはならない裏があるような気配もある。その上、自身にパーキンソン病のような重い病があることも発覚する。結局はその病気を理由に引退させられ、しかも監視さえされてるような状況になってしまう。
それでも同僚の協力のもと、テロリストを追うため現地に向かう主人公。この辺りのちょっとしたサスペンスで、仕事のために同僚があっさりと殺人をするのに若干引いてしまった。CIAは恐ろしい。
そしてたいした障害もなく、あっさりとテロリストにたどり着き、対峙することなった主人公。実は相手もほとんど動けないほどの重い病気にかかっている。ここで決着をつけるのかと思いきや、呆気に取られて笑いが出るほど主人公の行動は意外だった。こういう終わらせ方もありと言えばありかと思っていたら、反撃にあって結局、想像通りの決着のつけ方。それなら最初からそうすればよかったのにと思ってしまった。
敵への執念は、主人公の怨みであったりやり残した事だからというだけでなく、CIAという組織としての義務、国家としての落とし前という大義もあったのだろう。しかしそれが裏切られ、さらに自身や相手の人生の終焉が迫っているということもあって、主人公の中に葛藤も生じている。
この辺りを突き詰めれば深い映画になったのに、妙にあっさりしてるなというのが素直な感想。見終わった後に調べてみたら、どうやら横やりが入って監督の思い通りにならなかった模様。もしかしたらCIAが介入したのか?と疑ってみたり。だったらやっぱりCIAは恐ろしい。
Director Paul Schrader Says His New Nicolas Cage Movie "Was Taken Away From Me" | Hollywood Reporter
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ポール・シュレイダー
製作総指揮 ニコラス・ウィンディング・レフン
出演 ニコラス・ケイジ/アントン・イェルチン/イレーヌ・ジャコブ
ラスト・リベンジ(R15+) | 映画 | 無料動画GYAO!