★★★☆☆
あらすじ
自らの有能ぶりを際立たせるため、敢えて無能な警察官に捜査を任せようとしていた警視に、適任者として選ばれてしまった男。
1963年に始まった映画「ピンクパンサー」シリーズのリメイク作品。93分。
感想
無能な噛ませ犬として殺人事件の捜査を任された田舎者の巡査が主人公だ。彼のドジで間抜けな捜査ぶりが描かれていく。
映画全編にベタな笑いが散りばめられていて、くだらなさ過ぎて思わず笑ってしまうものもあったが、そうでないものもあり、その出来にはばらつきがあった。決して悪くはないのだが、笑いが笑いを生むような盛り上がりはなく、どれも散発的な笑いにとどまっている。
フランスが舞台のアメリカ映画で、主人公らがフランス訛りの英語を喋っているのが特徴だ。日本でも外国人のクセのある日本語を物真似する事はあり、もしそれを延々とやられたらイライラしてしまいそうだが、英語圏の人はどうなのだろうか。
日本語と違って英語は世界共通言語で、母国語訛りのクセのすごい英語を喋る人はたくさんいるので、もう慣れていて気にならないのかもしれない。日本も将来的には移民が増えてこうなっていくのだろう。
主人公らが捜査でアメリカに出張することになり、訛りで馬鹿にされてはいけないと、延々と「ハンバーガー」の正しい発音の練習をするシーンは可笑しかった。きっとネイティブならもっと面白いやつだ。しかし日本人には「マクドナルド」の発音が難しいのに、フランス人には「ハンバーガー」の発音の方が難しいのかと興味深かった。
警視の意に反して評判の良い仕事ぶりを見せていた主人公だったが、妙にしつこかったハンバーガーのくだりが伏線となり、ついに失脚してしまう。この展開は馬鹿馬鹿しくてなかなか良かった。ラストはここから大逆転して無事事件を解決することになる。
たたみかけるような笑いの時間も欲しかったが、ぼちぼち楽しめるコメディ映画だ。演技はともかく、ビヨンセの華のある存在感も見どころとなっている。
スタッフ/キャスト
監督 ショーン・レヴィ
脚本/出演 スティーヴ・マーティン
出演 ケヴィン・クライン/ジャン・レノ/エミリー・モーティマー/ビヨンセ・ノウルズ/クリスティン・チェノウェス/ヘンリー・ツェニー/ロジャー・リース/クライヴ・オーウェン*
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*カメオ出演
音楽 クリストフ・ベック/ヘンリー・マンシーニ*
*テーマ曲
撮影 ジョナサン・ブラウン
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