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「ピンクの豹」 1964

ピンクの豹

★★★★☆

 

あらすじ

 亡命生活を送る王女が持つ世界最大のダイヤモンド「ピンク・パンサー」を狙ってやって来た怪盗と、それを追う警部。

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 「ピンクパンサー」シリーズ第1作。115分。

 

感想

 亡命中の王女が持つダイヤモンドをめぐる人々の物語だ。ドタバタのコメディなのだが、まず怪盗を追っている警部の奥さんが怪盗とデキている設定なのが間抜けで面白い。しかも警部はかなりの愛妻家でそれがまた切ないのだが、それゆえに盲目で疑うことができないのだろう。

 

 このピエロな警部を演じるピーター・セラーズが、細かいギャグを立て続けに繰り出していく。この小ボケをくり返す姿はどこかビートたけしぽかった。もっと洒落た雰囲気のコメディかと思っていたので、こってりとした笑いが多くて意外だった。だがきっとこれが世界共通でウケやすい笑いなのだろう。結局、子どもでも分かるようなものが一番強い。

 

 その他、警部の奥さんに会いに来た間男たちのかくれんぼやとぼけたカーチェイスシーンなど大きなネタもあり、大ボケ小ボケがバランスよく散りばめられている。

 

 

 ゴリラに扮した二人の泥棒が金庫のまわりをグルグルと回る終盤のシーンなどは、往年のドリフのコントを思い起こさせるところがあり、昭和のコメディアンたちは世界のトレンドをきっちりと取り入れていたのだなと実感した。昔のジャッキー・チェンの映画でよく見られて謎だったかくれんぼのシーンも、このあたりを参考にしていたのかと腑に落ちた。

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 コメディだけでなく、王女と怪盗のロマンスや華やかなパーティーシーンなど、いろんな要素が詰め込まれた魅力的な娯楽作だ。本編とは関係ない歌と踊りのシーンが唐突に挿入されるところなどはいかにもだが、楽しい気分にさせてくれる。有名なテーマ曲も印象的だ。

 

 昔の映画はテンポの遅さやギャグの古臭さに時代を感じ、ただ興味深く見るだけになってしまいがちだが、この映画は普通に楽しめた。尻上がりに盛り上がって来る展開で、いつのまにか引き込まれていった。そんなラストでいいの?と思ってしまうようなエンディングも妙な余韻が残る。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 ブレイク・エドワーズ

 

出演 デヴィッド・ニーヴン/ピーター・セラーズ/ロバート・ワグナー/キャプシーヌ/クラウディア・カルディナーレ

 

音楽 ヘンリー・マンシーニ

 

ピンクの豹

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