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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「プッシャー2」 2004

プッシャー2 (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 出所したばかりの男は、ギャングの父の下で働き始める。

 

感想

 前作で主人公の相棒だったマッツ・ミケルセン演じる男が今回の主人公。前作は借金の返済に追われ、追い詰めらて行く男の姿がただ描かれるだけだったが、今回はもう少し複雑な状況が描かれていて、先が読めない面白さがある。それから前作で登場したボスも、かなり体格が変わってしまっているが、今回も少しだけ登場している。

 

 とりあえず、ほとんどの登場人物たちがドラッグ漬けになっているのが面白い。各シーンで、まずは何はともあれドラッグとでもいうように、ほぼ必ずドラッグを使用するシーンから始まる。君たちはドラッグがないと動けないのか、と説教したくなるが、多分、そうでもしないとやっていられないという側面もあって、ある意味では正解と言えるのかもしれない。。それから売春宿が身近な存在だという事も感じられる。デンマークはそんな国なのかと思ってしまいそうだが、ただ主人公らがそんな環境で暮らしているというだけのことなのだろう。

 

 

 出所したばかりの主人公は、知らないうちに自分の子供が生まれていた事もあり、そんな環境で暮らし続けていいのだろうかと考えるようになる。とはいえ、真面目に働こうと始めた仕事が、父親の裏社会の仕事の手伝いだったりするあたりが、いかに抜け出すことが難しい過酷な環境にいるのかを物語っている。それに、このままじゃいけないよなと考えながら、ドラッグをやったりもしている。きっと多くのギャングたちはこうやって薄っすらとした危機感を抱えながらも、惰性でそのままずるずると裏社会の住人として生きていくのだろう。

 

 父親との関係、母親の物悲しい人生、そして自身の現在の状況を考えると、自分の子供の将来に暗澹たるものを感じてしまい、思い詰めていく主人公。赤ちゃんのおむつを初めて替えるシーンは微笑ましかったが、赤ちゃんを前にすると途端に優しい顔になる主人公が印象的だった。ラストは一応ハッピーエンドと言えるのかもしれないが、その後、彼らが本当に幸せに暮らしたかといえば厳しい見方をせざるを得ず、重苦しい気分にもなる。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 ニコラス・ウィンディング・レフン

 

出演 マッツ・ミケルセン/リーフ・シルベスター・ペーターゼン/ズラッコ・ブリッチ/アンネ・ソレンセン/オイヴィンド・ハーゲン・トラバーグ

 

プッシャー2 (字幕版)

プッシャー2 (字幕版)

  • マッツ・ミケルセン
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