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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「プッシャー」 1996

プッシャー (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 麻薬取引をしくじり、大金を借りていたボスから返済を迫られる密売人。デンマーク映画。

 

感想

 大口の麻薬取引に失敗した主人公が、大金の貸しがあるボスから返済を迫られ、金策に追われる物語。特に大きな展開もなく、一発大逆転もなく、ただただじわじわと窮地に立たされていく姿を撮り続けただけともいえる映画で、ときおり映像や音楽におっと思わせるシーンはあるものの、今だとあまりグッとくる感じはあまりないのだが、当時なら新鮮に感じたとしても納得できる。ちなみに10年ぐらい前の作品かと思っていたが、思っていたよりも全然古い96年の映画だった。

 

 デンマーク映画だがその他の言語も飛び交っていて、登場人物たちの関係性がいまいち良く分からなかったのだが、小さな国なのでヨーロッパ大陸の人間達がうろうろしているという事か。ちなみにボスはセルビア系の人物だったようだ。それから主人公の相棒役は、これがデビューのマッツ・ミケルセン。全然気づかず後で知った。キレイな回し蹴りを披露している。

 

 

 主人公と相棒は終始馬鹿話をしているし、ボスはデザート作りが大好きだしと、裏社会の彼らも普通の顔を持っていて、何も常日頃から極悪人の顔をして悪い事をしてばかりいるわけではないということがよく分かる。主人公が、この後の仕事をしくじったら自分を殺そうとするかもしれないボスの相棒と、のんきに将来の夢を語り合っている姿は印象的だった。やっている仕事内容を別にすれば、普通の仕事仲間のおしゃべりと変わらない。

 

 ラストはそこで終わるのか、という軽い驚きがあったが、彼女だってただ物語の飾りとして存在しているわけではなく、ちゃんと感情を持った自らの人生を生きる一人の人間なのだということだろう。皆がそれぞれの思惑を持って動いているからこそ、色々なドラマが生まれるのだ。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/原案 ニコラス・ウィンディング・レフン

 

出演 キム・ボドゥニア/マッツ・ミケルセン

 

プッシャー (字幕版)

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プッシャー (1996年の映画) - Wikipedia

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