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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「嵐電」 2019

嵐電

★★★☆☆

 

あらすじ

 京都の路面電車「嵐電(らんでん)」を舞台に展開される三組の男女の物語。

 

感想

 三組の男女のそれぞれの恋愛模様が時に交錯しながら描かれていく。ただファンタジー要素が多いので、どこまでが現実なのだろうかと訝ってしまうような、不思議な味わいのする映画だ。この幻想的な展開をすんなり受け入れてしまえるのは、舞台が古都京都ならではかもしれない。

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 電車の中から狸と狐に扮した白塗りの男女が出てきたりするのだが、あまり幻想的な雰囲気がなくて、白々しさが出てしまっていたのは残念だった。撮影機材などの予算的な問題なのかなと思ったが、カフェの女性店員と俳優が手をつなぎ電車に揺られるシーンはいい雰囲気の映像に仕上がっていたので、そういうわけでもなさそうだ。それから自然なセリフ回しは悪くないのだが、重要なセリフが聞き取りづらいことが多かったり、画面に動きを出すためなのだろうが役者が不自然な動きを急に始めたりと、他にも気になる部分はいくつかあった。

 

 冒頭に「行違い駅」の様子が長々と映し出されることからも、この映画はすれ違う男女を描いた映画だと言える。別れた後に本当の気持ちに気づく男子高生や、なぜすれ違ってしまったのか後悔と共に省みている作家の男、現在進行形ですれ違い続けるカフェの女性店員。そんな中でも、控えめな部分と大胆な部分が歪に表に出てしまうカフェの女性店員が良かった。そして高校生男女の重要なシーンに毎度なぜか偶然立ち会ってしまう井浦新演じる作家の男の、戸惑いつつも平静を保とうとする様子が面白かった。

 

 

 最終的にはみなハッピーエンドのような形になるのだが、現実には全員そうはならなかったのだろうなと想像できてしまって切ない。これらがそうあって欲しかった現実だったのかと思うと、ますます悲哀を感じてしまう。古都京都にはそんな男女の渦巻く想いが1200年分、土地に沁み込んでいるわけで、だからこそ幻想的な出来事が起きてもおかしくないように思えてしまうのだろう。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 鈴木卓爾

 

出演 井浦新/大西礼芳/安部聡子/金井浩人/窪瀬環/石田健太/福本純里/水上竜士

 

音楽 あがた森魚

 

嵐電

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  • 井浦新
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嵐電 (映画) - Wikipedia

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