★★★★☆
あらすじ
13世紀末、イングランドに虐げられていたスコットランドの独立のために戦った実在した英雄、ウィリアム・ウォレスを描いた作品。アカデミー賞作品賞。
感想
男が妻を失い、そこからイングランドへの抵抗運動へとつながっていくのがリアリティーがある。最初からでかい志があると失敗しそうな気がする。変に敵に理解を示したりする聖人君子でもなく、感情のままに容赦のない行動をする所も人間味があって嘘くさくない。
戦闘シーンはかなり激しい描写もあるが、これくらいのほうがこんな目に遭いたくない、戦争なんてするもんじゃない、という気分になって逆にいいと思う。観ている分には気分は高揚するが。
イングランドの圧政の象徴の一つとしてが「初夜権」が描かれ、初夜権ってただのエロオヤジの下卑た欲望の現れかと思っていたが、王の言葉を聞いているとそれなりの意味を見出すこともできるのだなと少し感心した。とはいえ、後付けの言い訳ではあるのだろうが。
イングランドが、敵を切り崩してどんどん身内を裏切るように仕向けていく手腕はえげつないほど有効だ。結局、皆自分の身が可愛い。敵陣営が内紛を起こしてくれれば相手は疑心暗鬼で団結できず、その分、自分たちは安泰になる。戦争が、単純に戦闘力で決まるわけではないことがよく分かる。
三時間ある大作。序盤の導入部分を過ぎると全く時間は気にならず、あっという間に過ぎてしまった。最後にあんな結末を迎えるのは残念ではあったが、美しい映像と音楽、迫力のある戦闘シーンなど見応え充分だった。
スタッフ/キャスト
監督/製作/出演 メル・ギブソン
脚本 ランダル・ウォレス
出演 ソフィー・マルソー/パトリック・マクグーハン/キャサリン・マコーマック/ブレンダン・グリーソン/ピーター・マラン/ジェームズ・コスモ/アラン・アームストロング/アンガス・マクファーデン/ショーン・ローラー/ブライアン・コックス/イアン・バネン/トミー・フラナガン/ドナル・ギブソン/ピーター・マラン
音楽 ジェームズ・ホーナー
撮影 ジョン・トール
登場する人物
ウィリアム・ウォレス/イザベラ・オブ・フランス/エドワード1世/ロバート・ザ・ブルース(ロバート1世)/エドワード王子(エドワード2世)