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「11ミリオン・ジョブ」 2013

11ミリオン・ジョブ [DVD]

★★★☆☆

 

あらすじ

 警備会社で働き始めた青年は、会社の杜撰な管理体制に気づき、保管されている大金を奪おうと企む。1982年に実際にアメリカで起きた1100万ドル強奪事件を題材にした作品。原題は「Empire State」。

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感想

 警官を目指していたような若者が、勤め先の警備会社のブラックぶりと杜撰な管理体制を目の当たりにして、保管する大金を奪おうと企む物語だ。そこまでは分かるのだが、その後が何もかもがグダグダで全然面白くなっていかないのが辛い。

 

 完璧な計画の元で行なわれる鮮やかな犯行の手口が見られるわけでもなく、犯人を追う警察とのヒリヒリするようなやり取りが見られるわけでもなく、行き当たりばったりでやってみたらそこそこうまくいってしまった物語を観させられただけだ。そもそもの警備会社の杜撰な体制やFBIの見当違いの捜査方針を含め、当時のアメリカ史上最高額の現金強奪事件の裏側はこんなにもグダグダだったのか、という意味での驚きはあるが。

 

 

 そんな事件の何をこの映画が描きたかったのか、それが全然見えてこない。スリリングな犯行なのか、家族の絆なのか、友情なのか、それともズッコケコメディだったのか。何もかもが中途半端だ。きっとスティーブン・ソダーバーグやコーエン兄弟だったら、この題材をもっと面白く料理してみせたのだろうなという確信はある。事件がグダグダだったからと言ってなにも映画までグダグダにする必要はなかった。

 

 元々94分という短い映画だが、それでもダレることなく最後まで引っ張るテンションを保っていたのは良かった。ただ、次に何が起きるのだ?という期待はすべて失望に変えられてしまう。

 

 そしてこの映画で一番ダメだったところは、重要な役割を演じるマイケル・アンガラノ演じる主人公の友人のキャラクターだろう。お喋りで口が軽く、身勝手で頭悪そうですべてを台無しにしてしまう嫌悪感しかないキャラクターだ。彼がもしそうではなくて、駄目な奴だけどどこか憎めない、みたいなキャラだったら、この映画の印象はだいぶ変わったような気がする。

 

スタッフ/キャスト

監督 ディート・モンティエル

 

出演 リアム・ヘムズワース/ドウェイン・ジョンソン/エマ・ロバーツ/マイケル・アンガラノ/ポール・ベン=ヴィクター/クリス・ディアマントポロス/ニッキー・リード/マイケル・リスポリ

 

音楽 デヴィッド・ウィットマン

 

11ミリオン・ジョブ [DVD]

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11ミリオン・ジョブ - Wikipedia

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