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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「社葬」 1989

社葬 [DVD]

★★★☆☆

 

あらすじ

 会長派と社長派で対立する新聞社。一旦は社長派の勝利で決着がついたかに見えたが、社長の死により再び情勢が怪しくなる。

 

感想

 友人のだまし討ちで無理やり社長派に引き込まれてしまった主人公。迷惑そうな顔をしていたので、そういう争いごとには興味がないのかと思ってしばらく観てしまったのだが、男たちは大前提として当然出世欲や権力欲を持っているという世界観の物語だった。でも考えてみればそういうのがなければ重役にまでなれないわけで、当然と言えば当然か。

 

 前半は社長の死後、重役らの思惑が交錯する様子と、主人公と料亭の女将の不倫話が並行して描かれていく。主人公は女将には夢中だが、社内情勢には積極的に関わろうとはしないので、ただ社葬の準備が進んでいく様子を無目的に眺めているだけの状態となって、推進力が弱く感じた。社葬が描かれることはあまりないが、権力争いをする社内事情を描いた物語はそんなに珍しくないので、特別に面白みを感じるようなことはなかった。

 

 

 後半、自身が派閥争いの犠牲になりそうになって、ようやく主人公は能動的に動き出す。事の真相を探るうちに次第に様々な事情が絡みあっていることが明らかになっていくのだが、だからといって面白くなっていくわけでもなかった。表で互いにバチバチやって決着するというよりは、裏でごちょごちょやって気づかないうちに決まってしまっているという、いかにも日本らしい嫌らしい物事の決め方。いまいち盛り上がりに欠けた。

 

 ただなんだか観ていても気分が乗らないのは、バブル期のこの頃とは今の日本の経済状況が大きく変わってしまっているせいなのかもしれない。全員おじさんばかりの多様性ゼロの役員会とか、いきなりやって来て思い付きで指示を出し現場を混乱させて帰っていく役員とか、駄目な部分ばかりに目が行ってしまう。いかにも古臭い世界だと思うのだが、意外と今も変わらず大企業や政治の世界では同じ事をしていたりする。だから未だに日本は立ち直れず、他国にどんどん追い抜かれていくのだと暗い気分になってしまう。そんなことを考えていたら、世襲の跡継ぎを決める社内政治なんかどうでもよく思えてきた。

 

 話は変わるが、割と重要な役柄で出ている井森美幸が、きっと普通にやっているだけなのに、何をやってもなんだか面白く見えてしまうのが可笑しかった。

 

スタッフ/キャスト

監督 舛田利雄

 

出演 緒形拳/十朱幸代/井森美幸/江守徹/吉田日出子/藤真利子/高松英郎/船越英一郎/芦田伸介/小林昭二/不破万作/イッセー尾形/野際陽子/加藤武/若山富三郎

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音楽    宇崎竜童

 

社葬 [DVD]

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社葬 (映画) - Wikipedia

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