★★★☆☆
あらすじ
流されるままに生き、いつの間にか刑務所に入ることになった男は、出所後、生き方を変えるために銀行から金を盗むことを思いつく。
感想
キアヌ・リーブス演じる主人公は不思議な男だ。人生に期待などせず、自己主張せず、だけど人が期待することには応えようとする。自分よりも他人優先なので良い奴と言えるわけだが、主張をしないものだから自分の意思のない、ただ流されているだけの奴と取ることもできる。
特に恋人のように付き合いが長い人間になると、まったく意思表示しない男は物足りなく、苛立たしく感じてしまう。それが不満で恋人が別れたいと言えば「君がそう望むなら」とあっさりと受け入れ、別れてしまう。こんな真意のわからない人間は、確かに腹が立つ。
そんな男が、古い知り合いの頼み事を聞いたばかりに、訳もわからず銀行強盗で捕まり、刑務所へ。同部屋の男と話をしているうちに、夢を持たない自分の人生のつまらなさに気づき、出所後に偶然知った情報を元に銀行から金を盗むことを思いつく。
何もしてないのに銀行強盗で捕まって服役をしたのだから、出所後に本当に銀行から金を盗んだっていいだろう、という論理がよく分からないが、この後、下見に訪れた劇場で一人の女性と出会い、不思議な展開へとなっていく。
基本的にはオフビートな笑いを散りばめたコメディ。面白いか面白くないかで言えば、面白い。だけどもっと面白くなったような気もする。すべての表現が控えめだ。もうちょっとだけ貪欲だったら、もっと気持ちよく映画を見終えることができたと思う。
スタッフ/キャスト
監督 マルコム・ヴェンヴィル
脚本/原案/製作総指揮 サーシャ・ガヴァシ
出演 キアヌ・リーブス/ヴェラ・ファーミガ/ジェームズ・カーン/ピーター・ストーメア/フィッシャー・スティーヴンス/ビル・デューク/ジュディ・グリア
登場する作品
*「桜の園」