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「オール・ユー・ニード・イズ・キル」 2014

オール・ユー・ニード・イズ・キル(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 地球を侵略する宇宙人と戦う人類。激戦地に行くことを拒んだメディア担当の少佐は、二等兵に降格させられ最前線へ送られてしまう。

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感想

 最初は主演のトム・クルーズが、これまでの映画で演じてきたキャラクターとは違い、口先だけの嫌な奴として登場する。メディア担当として最前線に行って欲しいという要請をなんとか回避しようと、脅したりすかしたりの情けない必死の姿を見せている。とはいえ、最高に爽やかな笑顔だけはいつも通りなのだが。

 

 そんな彼は、上官の怒りを買って降格させられ、歩兵として前線に送られることになってしまう。これだけでも一つの物語になりそうなものだが、本題は死ぬと前線基地に送られた日に戻ってしまうタイムループものだ。タイムループを繰り返しながら、敵を倒すための最適解に近づいていく。

 

 

 なかなか面白い設定ではあるのだが、失敗したらリセットしてセーブポイントからまたやり直せばいいだけだからと、慎重さのかけらもなくガンガン前へ進むゲームを見ているようでもある。良く言えばアジャイルな手法を使った攻略法なのかもしれないが、失敗したら終わりという一か八かの緊張感がないのがなんか嫌だった。トム・クルーズがこれだけあっさりと死んだり、なんなら自分から死ににいってるシーンがたくさん見られるのは珍しくて面白いのだが。

 

  宇宙人との戦闘シーンは、機動スーツなどの装備がカッコよく、迫力があって良かった。特に主人公が初の戦場に戸惑いオロオロする姿を描いた最初の戦闘シーンは、リアルで臨場感があり、少し「プライベート・ライアン」を思い出した。タイムループのない純粋な戦争映画として作っても、見ごたえのある物となったのかもしれない。

 

 何度もループを繰り返し、最適解に近づいていく主人公たち。若干、繰り返しがうざく感じる時もあったが、すでに何度もループした後のシーンからいきなり始まる時もあって、その変化のつけ方は上手かった。たまに相棒の女性の視点も味わえる。終盤にタイムループがもう出来なくなるという展開も、一気に緊張感が高まって良かった。そして訓練と経験を重ねて、いつの間にか主人公はタフで頼もしい、いつものトム・クルーズになっていた。

 

 エンディングに近づくにつれ、よく考えるとタイムループで戻るポイントがなぜ出撃前夜という都合の良い時点だったのか、という疑問に気付いたり、なぜ未来でラスボスを倒したら過去が変わるのだろう、と釈然としなかったりと、ぞくぞくと疑問が湧き出てきた。まあまあ面白かったのだが、ラストで一気に気になる点が出てきてしまう、後味の悪い映画となっている。

 

スタッフ/キャスト

監督 ダグ・リーマン

 

脚本 ダンテ・W・ハーパー/ジョビー・ハロルド/クリストファー・マッカリー/ティム・クリング/ジェズ・バターワース/アレックス・カーツマン/ロベルト・オーチー

 

原作 All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)

 

製作 ジェイソン・ホッフス/グレゴリー・ジェイコブズ/トム・ラサリー/ジェフリー・シルヴァー/アーウィン・ストフ

 

出演

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エミリー・ブラント/ビル・パクストン/ブレンダン・グリーソン/ノア・テイラー/キック・ガリー/ジョナス・アームストロング/フランツ・ドラメー
 

オール・ユー・ニード・イズ・キル - Wikipedia

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