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「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」 2016

グランド・イリュージョン 見破られたトリック(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 再始動したマジシャン集団は、携帯会社の陰謀を暴こうとするが何者かに妨害され、捕らえられてしまう。

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 「 グランド・イリュージョン」の続編。原題は「Now You See Me 2」。

 

感想

 手品師たちが巨悪を暴く物語だ。手品もペテンの一種だから、大きく括ればペテン師たちの物語と言えるだろうか。ペテン師たちが悪者をやっつけ、彼らの悪事を公表して懲らしめる。それを効果的に行うにはショーの要素があった方がいいので、マジック・ショーの形式を取っていると考えればいいのだろう。誰もが簡単に情報を発信できる時代だから、埋没しないためには伝え方を工夫しなければならない。なんだか世相をよく反映しているように見える。

 

 だがおそらくこの映画はそんなことは一切考えておらず、ただペテンに手品の要素をたくさん加えようとしているだけだろう。敵から盗んだカード型のチップを隠すため、メンバーがカードマジックの技術を駆使するシーンなどは、必要以上に手品要素を盛り込もうとしているように感じてしまい、興醒めるするところがあった。冷静になってしまうと、そこでわざわざ手品を使う必要があるのか?、と思ってしまうシーンは多い。

 

 それからやっぱり、CGをいくらでも使える映画の世界でマジックをやられてもあまり面白みはない。「雨を操れます」と言われても、「うん、CGを使ってるからね」と思うだけだ。スーパーヒーローが特殊能力を披露するのとはわけが違う。

 

 メンバーがアメリカからマカオへ瞬間移動してしまった場面は面白かったが、これは実際のマジック・ショーでやることは出来ないものだ。トリックには感心したが、これは手品というよりもペテンだろう。ペテン師の映画でも出来る。

 

 

 

 物語は前作の内容を踏まえた上で進行する。だがそれをほとんど覚えていなかったので、細かい部分はあまりうまく理解できなかった。物語自体も説明が不十分なところがあり、なにをやっているのかよく分からないシーンも多かった。その代わりテンポはいいので、あまり深く考えずに雰囲気で楽しむことはできる。今回から加わった新メンバーの女性キャラが、空気を読めない言動ばかりするのも面白かった。

 

 ラストは詐欺師の物語の定番で、観客を騙す仕掛けが用意されている。だがそれがバレバレだったのは残念だ。そんなところで計画が狂うなんてあり得ないと思ってしまうようなところでミスをするので、すぐに勘付く。おかげでそこから大どんでん返しまでの時間帯は白々しいものとなってしまった。ただトリック自体は悪くなかった。ショー的にやるとバレやすくなってしまうのかもしれない。

 

 映画とマジックがうまく融合していないような気がしてしまうシリーズだ。どうもしっくりと来ない。

 

スタッフ/キャスト

監督 ジョン・M・チュウ

 

脚本/原案/製作総指揮 エド・ソロモン

 

製作 アレックス・カーツマン/ロベルト・オーチー/ボビー・コーエン

 

製作総指揮 ケヴィン・デラノイ/ルイ・レテリエ

 

出演 ジェシー・アイゼンバーグ/マーク・ラファロ/ウディ・ハレルソン/ダニエル・ラドクリフ/デイヴ・フランコ/リジー・キャプラン/ジェイ・チョウ/サナ・レイサン/マイケル・ケイン/デヴィッド・ウォーショフスキー/ツァイ・チン

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グランド・イリュージョン 見破られたトリック - Wikipedia

 

 

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