★★★★☆
あらすじ
ある女性を仲間に引き入れ仕事を行なった詐欺師グループのリーダーは、三年後、別の仕事現場で彼女に再会する。
感想
小粋なセリフ、洒落た雰囲気で物語は進む。音楽もよくてスタイリッシュな映画だ。
詐欺師たちの物語なので、何が起きてもどうせ裏があるのだろうと話半分で見てしまうのだが、それでもそのハードルを乗り越えて観客を上手く騙してくるのはさすがだ。特に最後の騙しは、気付かないうちに散りばめられていた伏線をちゃんと回収していて見事だった。
ただ、常に観客を騙そうとしているような映画なのに、ウィル・スミス演じる主人公の恋愛感情は本物だった、というのはどうもピンとこなかった。だったら偶然再会するまでの三年の間に、なぜ彼女を探そうとしなかったのか、と疑問に思ってしまった。敢えて曖昧にしたのかもしれないが、どこかでこれもフォーカスをずらして騙すための手口なのではないかと疑ってしまっている自分がいて、エンディングを迎えてもまだ何かあるのでは?と期待してしまい、消化不良気味になってしまった。
それからこの映画は全体としてみるとどこかまとまりがなく、いくつかの話を順番にやっただけみたいな印象がある。誰の目線で描いているのかもあやふやで、最初はマーゴット・ロビー演じる女の視点から描いていたのに、三年後の再会後は第三者的視点で描いている。この辺りが、面白いのだがどこか落ち着かない気分になってしまう原因のような気がした。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 グレン・フィカーラ/ジョン・レクア
出演 ウィル・スミス/マーゴット・ロビー/ロドリゴ・サントロ/ジェラルド・マクレイニー/B・D・ウォン/エイドリアン・マルティネス
音楽 ニック・ウラタ