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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「ティム・バートンのコープスブライド」 2005

ティム・バートンのコープスブライド (字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 家柄を手に入れるため没落貴族の娘と政略結婚させられることになっていた男は、式前日に死者の世界の女に求婚されたと誤解されてしまう。

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 原題は「Tim Burton's Corpse Bride」。ストップモーション・アニメーション映画。76分。

 

感想

 主人公が、婚約者と死者の国の女の三角関係に巻き込まれてしまう物語だ。主人公は婚約者との結婚には前向きながらも、死者の国の女を突き放すことが出来ない。死者の国の女が勘違いしてしまったのは事故みたいなものだった。誰も悪くないだけに、切ない三角関係だ。

 

 その三角関係の行方が、ティム・バートン監督らしい独特の世界観で描かれていく。不気味だがユーモラスなキャラクターやダークで幻想的な背景、そしてメルヘンな音楽など、作り込まれた世界観はレベルが高く、眺めているだけでも心地がいい。

 

 そして地上の世界をモノクロ風の青白い映像で、死者の世界をカラフルな映像で表現しているのは興味深い。一般的なイメージとは逆だが、案外死者の世界の方がしがらみがなくて楽しい場所なのかもしれない。いつも小言を言われていた馬車の御者が、死後の世界にやって来て、せいせいした、みたいな顔をしていたのは印象的だ。

 

 それから死者の世界の住人たちが地上に現れた時、最初はみんな逃げまどっていたのに、よく見たらご先祖様だったり死に別れた夫だったりして、最終的には和気あいあいとした雰囲気になったのは面白かった。

 

 

 死者の国には我々の親しかった人や身近だった人たちがいるのだから、決して恐ろしい場所ではないのだなと気付かされた。監督をはじめこういう世界観に親しみを持つ人たちの気持ちが少し分かったような気がした。

 

 三角関係は死者の国の女の決断により終止符が打たれる。思いの叶わぬ彼女の切なさが、悲しくも美しい物語として描かれていく。映像に古い白黒のクラシック映画のような趣もあり、青白い映像がときにモヤがかかったようにぼやける場面などはグッと来た。

 

 完成度の高い幻想的な世界観にうっとりとしてしまう映画だ。良い絵本を読んだ時のような満足感がある。

 

スタッフ/キャスト

監督/製作

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監督 マイク・ジョンソン

 

脚本 パメラ・ペトラー/キャロライン・トンプソン/ジョン・オーガスト

 

出演(声)

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ヘレナ・ボナム=カーター/エミリー・ワトソン/トレイシー・ウルマン/ポール・ホワイトハウス/アルバート・フィニー/リチャード・E・グラント/クリストファー・リー/マイケル・ガフ/ジェーン・ホロックス/ディープ・ロイ

 

音楽/出演(声) ダニー・エルフマン

 

ティム・バートンのコープスブライド - Wikipedia

 

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