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「 白鯨」 1956

白鯨

★★★☆☆

 

あらすじ

 冒険心に富み、捕鯨船に乗り込んだ男は、凶暴な白鯨、モビー・ディックとの戦いに執念を燃やす船長の姿を目撃する。

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 原題は「Moby Dick」。116分。

 

感想

 序盤は主人公が、捕鯨の基地になっている街にやってきて、捕鯨船に乗り込むまでが描かれる。

 

 この街で主人公は一晩泊まるのだが、それが相部屋ならぬ相ベッドだった。夜ベッドで寝ていたらいきなり知らないおじさんが隣に入ってくるとか怖すぎる。逆に知らないおじさんが寝ているベッドに潜り込むのも嫌すぎるが、当時は普通のことだったのだろうか。見ているだけでゾッとしてしまった。

 

 

 その後、教会でオーソン・ウェルズ演じる神父による説教が行われ、この先になにか禍々しい出来事が待ち受けていることを暗示する。ただ、神父の言葉がスッとは頭に入ってこず、なんとなく雰囲気を受け取るだけだった。聖書の言葉もそうだが、宗教的なワードはピンとこないことが多い。

 

 捕鯨船に乗り込んだ後は、船長の白鯨への執着が描かれていく。ようやく登場したグレゴリー・ペック演じる船長は、存在感がものすごい。ただ、原作を読んだ時に感じたような狂人ぶりはあまりなく、どちらかといえば信念の強さを感じる政治家のようなキャラクターだった。このグレゴリー・ペックは、ユアン・マクレガーぽくも、丹波哲郎ぽくもある。

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 あくまでも白鯨に固執する船長は、それをやめさせようとする部下と対立する。この時に宗教的倫理観が重要視されているのが印象的だ。教会での説教シーンが代表的だが、この他にも相手がキリスト教徒かどうかを気にしたり、キリスト教徒ならこうするはずだと訴えたりと、彼らの中に宗教的な考えが深く根付いていることがよく分かる。

 

 昔のハリウッド映画を見ると、登場人物やストーリーの生真面目さが鼻について、少々退屈に感じてしまうことがよくあるが、それくらい昔の人は宗教的倫理観に支配されて暮らしていたということなのだろう。彼らがそんな倫理観をぶっ飛ばすようなマカロニウエスタンに新鮮さを感じたのはわかるような気がする。

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 見どころである捕鯨シーンは、古い映画なのでたいしたことないだろうと思っていたのだが、思いの外、迫力のあるシーンに仕上がっている。ミニチュアや実物大の模型を使って撮影したようだが、どうやって撮っているのと驚いてしまうくらいよく出来ている。

 

 白鯨に挑む船長の狂気が乗組員全員を飲み込んでしまい、やがて悲劇的な結末を迎える。ラストの鬼気迫る船長の姿は壮絶だ。ずしりとした余韻が残る。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作 ジョン・ヒューストン

 

脚本 レイ・ブラッドベリ

 

原作

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出演 グレゴリー・ペック/リチャード・ベースハート/レオ・ゲン/オーソン・ウェルズ/レオ・ゲン/ハリー・アンドリュース/ロイヤル・ダノ

 

白鯨

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  • グレゴリー・ペック
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白鯨 (映画) - Wikipedia

 

 

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