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「G.I.ジョー」 2009

G.I.ジョー (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 輸送していた新型兵器をテロ組織に奪われてしまった兵士は、世界中のエリートが集まった専門家チーム「G.I.ジョー」に加入し、共に戦うことを決意する。

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 同名のおもちゃのアニメ版「地上最強のエキスパートチーム G.I.ジョー」をベースにした実写シリーズ第1作。原題は「G.I. Joe: The Rise of Cobra」。118分。

 

感想

 専門家集団「G.I.ジョー」に所属した主人公が、仲間と共に新兵器で世界征服を企むテロ組織と戦う物語だ。サクサクと流れるように物語は進む。テンポがいいとも言えるが、メリハリがなくて引っ掛かるものがなく、まるでミュージック・クリップでも見ているような気分になる。

 

 そして全体的にそこはかとなく漂うのはダサさだ。そもそも主人公をはじめ登場人物たちに特別を感じるようなカッコ良さがなく、まったく憧れない。それどころか、どことなく胡散臭ささえ感じてしまう。これもテンポ重視でしっかりと人物を描かない弊害だろう。

 

 

 メインのアクションも「007」や「スターウォーズ」をつい連想してしまうような、デジャブ感のある映像ばかりだ。登場する近未来の乗り物や装備、メカ類も安っぽく、グッとくるものは無い。ストーリーも元々おもちゃだからなのか、幼児向け特撮ヒーローもののような子供っぽさがある。

 

 既視感のある映像や演出、ダサいキャラに安っぽいストーリーと、何一つ新鮮さのない内容だ。だがこれらは、パロディーものの特徴と同じだったりする。最初は残念な気持ちでただ眺めていたのだが、段々とよく出来たパロディーみたいに思えてきて、なんだかよく分からないが面白くなってきた。登場人物らが真面目な顔して、ダースベイダー誕生のパクリみたいなことをやっているシーンには思わず爆笑してしまった。続編を作る気満々なことすら笑えてくる(実際に続編は作られたが)。

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 作り手の意図ではないのだろうが、結果的になんだか笑けてくる楽しい映画に仕上がっている。チープではあるが、アクションは派手だし、ストーリーは子供向けみたいに分かりやすいしで、なんだかんだで何も考えずに楽しめる娯楽作品かもしれないと錯覚させてくれる。きっと本気でパロディー映画を作らせたら死ぬほどつまらなくなりそうなので、これはこれでいいような気がする。ある意味で奇跡的なコメディ映画だ。

 

スタッフ/キャスト

監督/原案/製作総指揮 スティーヴン・ソマーズ

 

出演 チャニング・テイタム/レイチェル・ニコルズ/マーロン・ウェイアンズ/シエナ・ミラー/イ・ビョンホン/レイ・パーク/クリストファー・エクルストン/ジョセフ・ゴードン=レヴィット/デニス・クエイド/アドウェール・アキノエ=アグバエ/サイード・タグマウイ/カロリナ・クルコヴァ/ブレンダン・フレイザー/アーノルド・ヴォスルー/ケヴィン・J・オコナー/ジョナサン・プライス

 

音楽 アラン・シルヴェストリ

 

G.I.ジョー (字幕版)

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G.I.ジョー (映画) - Wikipedia

 

 

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