★★☆☆☆
あらすじ
不思議なことが起こるボードゲームに閉じ込められてしまった少年は、26年後、別の少年によって解放され、共にゲームを終わらせようと奮闘する。
シリーズ第1作。104分。
感想
サイコロを振るたびに不思議なことが起こるボードゲームを題材にした物語だ。ライオンが飛び出したり、謎の植物に襲われたりとそれぞれの事象は面白いのだが、そもそも論としてこのボードゲームの主旨が分からないので、ずっとモヤモヤする。
ジュマンジは、サイコロを振って進んだマスごとにイベントが発生する双六型のボードゲームだ。だが、ただライオンが出てくるだけ、植物が生えてくるだけで、それを倒せだとか駆除しろだとかのミッションは何もない。起きた事象に皆がビックリして一騒動あり、落ち着いたらなんとなく次の人がサイコロを振る、の繰り返しなので、ボードゲームとしての面白みをまったく感じない。
ゲームをやりたくなる要素がゼロで、ゲーム中も楽しめる要素がゼロなので、いちいち大騒ぎせずに次から次へとサイコロを振り、さっさとゲームを終わらせてしまえばいいだけなのに、としか思えなかった。各マスのイベントを、成功すれば特典、失敗したらペナルティのミッション型にしてくれれば何をすればいいのかが明確となり、変に引っ掛かることなく楽しめたのに残念だ。こんな欠点などすぐに気付きそうなものなのに、敢えてこの形のままにしたのはなぜなのか、逆に気になってしまう。
このモヤモヤは最後まで消えなかったが、それでも動物たちが走り回ったりするSFXやCGを駆使した映像は見ごたえがあった。SFX主体からCG主体へと移行する過渡期ならではの味わい深さもあって、当時の観客たちが驚き、夢中になっただろうことはよく理解できる。当時はこの映像のすごさでその他の粗さを誤魔化せたのかもしれないが、そんな映像に見慣れた今はさすがに気づていしまう。
その他にも、いつの間にか家の中が完全にジャングル化しているシュールさだったり、子役時代のキルスティン・ダンストが可愛くて驚いたりと、見どころはたくさんあるのだが、ボードゲームの設定の不可解さがずっと心に引っ掛かり、素直に楽しめない映画だった。
スタッフ/キャスト
監督 ジョー・ジョンストン
脚本 ジョナサン・ヘンズリー/グレッグ・テイラー
原作 ジュマンジ
出演 ロビン・ウィリアムズ/ジョナサン・ハイド/キルスティン・ダンスト/ブラッドリー・ピアース/ボニー・ハント/ビビ・ニューワース/デヴィッド・アラン・グリア/パトリシア・クラークソン/ジェームズ・ハンディ/(声)フランク・ウェルカー
音楽 ジェームズ・ホーナー
編集 ロバート・ダルヴァ
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