★★★☆☆
あらすじ
都会に置き去りにされた犬は、仲間と出会って自分が虐待されていたことを知り、飼い主に復讐を誓う。
ウィル・フェレル、ジェイミー・フォックスら声優出演。原題は「Strays」。93分。
感想
飼い主に罵られ、足蹴にされるもそうとは気づかず、愛されていると勘違いしていた犬が主人公だ。何度も捨てられるもゲームだと思って家に帰っていたが、遠く離れた大都会に捨てられ、他の野良犬たちと知り合ったことで自分が虐待されていることに気付く。そして飼い主に復讐するため、仲間と共に家に戻る旅が始まる。
犬がメインで、ほのぼのとした動物物語かと思ったら、なかなかハードな物語だった。そしてこれをハードな笑いで描く。下ネタや不謹慎ネタが多く、動物ものだけどまったく家族で見るには不適格なブラックコメディに仕上がっている。
飼い犬の目から見た物語にありがちな、ナレーションする犬のギャグは可笑しかったし、きのこでラリってウサギを惨殺してしまうのも面白い。それなりに笑えて楽しいのだが、糞尿などの汚いギャグが多いのには辟易とした。
家が近づくと、主人公の復讐の決意はくじけそうになる。心変わりして飼い主の元に戻ってハッピーエンドになるのかと思ったが、ちゃんと復讐を決行するクライマックスとなって安心した。ここで飼い主を許してしまうと、DVの夫と別れようとしない妻、みたいな不健全なものを感じてしまうところだった。
だがこの虐げる相手に好意を持ってしまう現象が起きるのは、犬だけではない。トランプ大統領の攻撃の対象なのに選挙で投票してしまって今後悔している人々だったり、30年以上も日本と自分をいたぶり貧しくしてきた政党をそれでも支持している人々だったりと、人間の世界でもよく見られることだ。それに対する風刺にもなっている。
騙されていたことに気付かず死んでいくのも幸せかもしれないが、出来ることなら過ちに気付いて本当の幸せを手に入れたいものだ。騙されていた人は、また違うものに騙されに行きがちなので気をつけたい。
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主人公はしっかりと飼い主との関係にケリをつけ、本当の幸せを手に入れることが出来た。正しいハッピーエンドだ。
スタッフ/キャスト
監督 ジョシュ・グリーンバウム
脚本/製作 ダン・ペロー
製作 フィル・ロード/クリストファー・ミラー/エリック・フェイグ/アディッティア・スード/ルイ・レテリエ
出演(声) ウィル・フェレル/アイラ・フィッシャー/ランドール・パーク/ロブ・リグル/ジミー・タトロ/フィル・モリス/ハーヴィー・ギレン/ジェイミー・デメトリウ/ソフィア・ベルガラ/グレタ・リー/ジョシュ・ギャッド
出演 ウィル・フォーテ/デニス・クエイド
音楽 ダラ・テイラー