BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「 ビーキーパー」 2024

ビーキーパー

★★★☆☆

 

あらすじ

 養蜂家で元秘密組織の工作員の男は、世話になった隣人がネット詐欺で騙されて自殺したことに怒り、復讐に出る。

www.youtube.com

 

 ジェイソン・ステイサム主演、デヴィッド・エアー監督。105分。

 

感想

 引退して養蜂を行う元工作員の男が主人公だ。親切にしてくれた隣人を騙して自殺に追い込んだネット詐欺グループに怒りの炎を燃やす。しかしいきなりガソリンたっぷりの容器だけを持ち、正面から敵地に乗り込んで行く様子には、あまりの気軽さに思わず笑ってしまった。そして余裕で壊滅状態にしてしまう。

 

 彼がいかにすごいかがよく分かったが、その後あっさりと身元がバレてしまったのはどうなの?と思ってしまった。ただこれは組織の上層部の情報を得るために敢えてやったのかもしれない。だが保管していた蜂蜜をめちゃくちゃにされてしまったのは駄目だろう。それを良しとしてしまうと、養蜂は適当にやっていただけに見えてしまい、冷める。それはそれでプロフェッショナルな意識でやっていることにして欲しかった。

 

 主人公は次々と相手陣営を倒していく。逆襲されることはなく、常に主人公のターンだ。困難を乗り越えながらなんとか敵に迫るのではなく、圧倒的な強さで敵をなぎ倒していくパターンの復讐譚となっている。だがメリハリがあまりないままに進行するので、盛り上がりに欠ける。音楽はなかなか良かったが、ラスボスを目指してずんずんと突き進むカタルシスを感じさせるような演出がもっと欲しかった。

 

 ラスボスも、登場時の社内でスケボーをしたり、ヒッピーみたいに変な東洋思想にかぶれた様子は面白かったが、その後は怖さがなかった。思わせぶりな存在だったジェレミー・アイアンズ演じる元CIA長官も見せ場はなく、また最後に立ちはだかるかに思えた大統領も肩透かしで終わる。

 

 

 主人公が所属していた「ビーキーパー」という組織もあまりピンと来ず、なにかと蜂になぞらえて説明するセリフもダルいだけだった。敵を一網打尽にするが、関係のない人たちを巻き添えにしている時点で後味の悪さがある。これも、女王バチのためなら犠牲を払うことも厭わない蜂にひっかけているのだろうか。

 

 スッキリしない部分はあるが、ジェイソン・ステイサムのいつも通りの活躍が見られるので、気軽に見るには悪くない。ネット詐欺で騙された人の心を多少は癒してくれそうな映画だ。

 

 続編が予定されているようだが、次回は「ジョン・ウィック」シリーズばりの、ビーキーパー同士の戦いが見たい。

ジェイソン・ステイサム主演『ビーキーパー2』制作決定 - THR Japan

 

 

スタッフ/キャスト

監督/製作 デヴィッド・エアー

 

脚本 カート・ウィマー

 

製作/出演

bookcites.hatenadiary.com

 

出演 エミー・レイヴァー=ランプマン/ジョシュ・ハッチャーソン/ボビー・ナデリ/フィリシア・ラシャド/ジェレミー・アイアンズ

 

音楽 デヴィッド・サーディ/ジャレド・マイケル・フライ

 

ビーキーパー

ビーキーパー

  • ジェイソン・ステイサム
Amazon

ビーキーパー (映画) - Wikipedia

 

 

bookcites.hatenadiary.com

bookcites.hatenadiary.com