感想
恋愛に縁のなかった男が、インターネットの掲示板を通して多くの人間に助言され励まされ、恋を成就させる物語だ。だからセリフというよりもパソコンの画面、テキストでのやりとりがメインになってくる。手紙などの文字の表現は役者に独白として読ませるとか、しばらくその文字を映すとかぐらいしかないが、この映画ではそれ以外の手法も使っていて、なかなか工夫していたように思う。
エルメス役を演じる中谷美紀が異星人のように描かれていて、そんな奴いないだろ、と思ってしまうのだが、良く考えてみると、あまり異性との接点がない人間が、あまり異性との接点が無かった人間から異性の話を聞くと、こんなようなイメージを作り上げてしまうのかもしれない。妄想というか。すべて、ネットというフィルターを通して作られた話なので。
だからか、ラストはかなり大げさだった。彼女を探すために街中、自転車をなぎ倒しながら駆けずり回り、鞄や上着を投げ捨て。告白シーンはこれでもかと喋りまくる。少しうんざりしてしまった。
スタッフ/キャスト
監督 村上正典
脚本 金子ありさ
原作 電車男
出演
中谷美紀/大杉漣/西田尚美/伊藤淳史/伊東美咲/瑛太/国仲涼子/岡田義徳/三宅弘城/佐々木蔵之介/木村多江
音楽 服部隆之