BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「クリミナル・タウン」 2017

クリミナル・タウン(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 カフェでバイトしていた友人が、幼なじみと立ち寄った直後に殺害されたことを知り、犯人探しを始めた高校生。

www.youtube.com

 

 アンセル・エルゴート、クロエ・グレース・モレッツ出演。原題は「November Criminals」。85分。

 

感想

 友人を殺された高校生が主人公だ。仲良く話していた友人が、その直後に事件にあって殺されたと知ったらショックだろう。だがよくあるギャング同士の事件として処理され、何事もなかったかのように日常生活に戻る周囲に反発を覚えた主人公は、自ら犯人を捜そうとする。

 

 しかしこれは単純な犯人探しのミステリーではない。主人公の動機がナイーヴなことからも分かるように、思春期の少年の成長物語として描かれている。だから進学や幼なじみとの恋のエピソードもある。また犯人探しも、そもそもの動機が半年前の母親の死であることが示唆されている。

 

 

 事件自体は三人ぐらいに話を聞いただけであっさり解決してしまう簡単なものだった。やる気のない警察でもこれくらいならさすがに犯人を見つけられるのでは?と思ってしまったが、証言者も相手が高校生だからと安心していたところがあったのかもしれない。相手が警察だと身構えて話さないこともある。

 

 事件の捜査から学んだことと、母親他界後の父親とのギクシャクとした関係、年頃らしい好奇心溢れる幼なじみとの率直なやり取りなどのサイドストーリーがほどよく絡み合って、いい青春映画となっている。父親が幼なじみと息子について語り合うのも心温まるシーンだった。

 

 控えめだが音楽の使い方も良く、伏線もしっかりと張られている。若い主人公が昔のデヴィッド・ボウイやトーキング・ヘッズを好んでいるのは違和感があったが、それが母親の影響だと分かるラストも巧かった。

 

 ただ、主人公がしきりに会いたがっていた刑事とどんなつながりがあるのか、何の説明もなかったのは気になった。もしかしてアメリカでは、かかりつけの医者みたいにかかりつけの警察官もいるのか?と疑ってしまった。

 

 各エピソードに深みが足りない感はあるが、上映時間の短さとメイン二人の色素薄めのあっさりとしたヴィジュアルに好感が持てて、悪くない印象のティーン映画だ。気軽に楽しめる。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 サーシャ・ガヴァシ

 

脚本 スティーヴン・ナイト

 

原作 クリミナル・タウン (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

出演 アンセル・エルゴート/クロエ・グレース・モレッツ/デヴィッド・ストラザーン/キャサリン・キーナー/テリー・キニー

 

音楽 デヴィッド・ノーランド

 

クリミナル・タウン(字幕版)

クリミナル・タウン(字幕版)

  • アンセル・エルゴート
Amazon

クリミナル・タウン - Wikipedia

 

 

bookcites.hatenadiary.com

bookcites.hatenadiary.com