★★☆☆☆
あらすじ
冷徹に大規模なリストラを断行する人事部長が、ある日捨て猫を拾う。
感想
タイトルからポスターから猫を前面に押し出した映画だが、本編では大して出てこない。物語に彩りを与える程度。それも失敗しているが。その猫を拾う人事部長の物語。
映画の中でも少し言っていたが、リストラしつつ新規採用というのは問題あるのでは。そのわりには有休消化しろ、とかいうし。自分の知識が間違っているのかもしれないが。とはいえ、そういう問題のある会社は世の中に普通に存在するわけだからいいのだが、そういう会社ならいかにもそういう会社という風にしてくれないと。そこが引っかかる。
そして新人研修のシーン。しかし何で日本の会社はこんなにアホなのだろう。会社に必要なスキルを持った人間を採用すればいいだけなのに、こんな自己啓発のような事をして会社にふさわしい人間を作るのなら、書類選考だの、面接だの何の意味もない。徴兵のように身体検査だけして採用すればいい。研修に参加した新人が「いい経験した」とか言ってるのも腹立たしい。
こういう日本の会社のバカさ加減を描きたかったのなら、その意図は伝わったからまぁ評価する。人間の成長する姿を描いたつもりとか思ってるのなら全然駄目。成長してないし。洗脳されただけだし。
大杉漣のこれぞ男の生き様、みたいな役柄も、あ、そうなのぐらいにしか思えない。全然共感できなかった。いろんな要素を中途半端に詰め込んで、結局この映画は何がやりたかったの?と苛立たしい感情だけが残った。
スタッフ/キャスト
監督 大森美香
出演 大杉漣/青山倫子/黒川芽以/入山法子/原日出子/螢雪次朗/鶴見辰吾/六角精児