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「ライアーゲーム 再生」 2012

LIAR GAME REBORN -再生-

★★★☆☆

 

あらすじ

 戸惑う元教え子と共にライアーゲームに再び参加した主人公は、20億円を賭けた椅子取りゲームに挑む。

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 サブタイトル「再生」の読みは「リボーン」。人気テレビドラマシリーズの劇場版第2弾。131分。

 

感想

 主人公ら参加者が、イス取りゲームで賞金を競う物語だ。主人公は早い段階で、このゲームがいわゆる椅子の奪い合いではなく、陣取り合戦であることを看破する。だが、いきなりネタばらしをするのではなく、観客にそれを気付かせる演出で楽しませて欲しかった。

 

 ゲームの本質が明らかになった後は、もはや椅子に座る様子すら見せることはなくなり、3つに分かれた陣営による言葉中心の駆け引きや買収合戦が描かれるようになる。この様子はそれなりに面白いのだが、皆が勝負に出るのがあまりにも早すぎるような気がした。

 

 

 3つの陣営のうち2つが同盟を結んだのなら、まず残りの1つを確実に退場させる方がいいように思えるが、なぜかその途中で内輪もめを始めてしまった。ほぼ勝ちは決まったので味方を減らして取り分を増やそうとしたのか、あるいは3つ巴の構図を残した方が戦略的に有利だったのか、それとも他に理由があったのか。その説明が欲しかった。

 

 皆ペラペラとしゃべっているわりには、肝心の戦略については誰も何も教えてくれない。物語的にはこの方が面白いのは分かるが、納得できる理由が必要だろう。

 

 一進一退の白熱の攻防戦が続き、主人公も優勢に立ったり劣勢になったりする。そんな中で、自分たちのターンでは雄弁で強気の主人公が、相手のターンになった途端に黙りこくってしまうのがちょっと面白かった。まるで、普段は威勢のいいことを言っているのに都合が悪くなるとダンマリを決め込むSNSアカウントみたいだった。

 

 不満はありながらも勝負の行方を楽しめていたのだが、ほとんど密室の会話劇が延々と続く展開に、終盤は段々と息苦しくなってきた。もっと外の景色を映すとか、動きのあるシーンを入れるとか、息抜きとなる時間をつくる工夫が欲しかった。それに言葉による取引や駆け引きだけでなく、別の陣営のイスを探し出して盗もうとする毛並みの違うキャラがいても良かった。

 

 映画らしい演出も特になく、途中にCMでも入ればちょうど良さそうな内容に、これなら普通に連続テレビドラマでよくない?と思ってしまった。

 

 それから、そういえばそんなことがあったなと忘れていた伏線を、ラストで回収するシーンも無茶だった。3つの椅子と色の組み合わせを列挙するだけで本の大部分を占めてしまうだろうとツッコみたくなった。

 

 

スタッフ/キャスト

監督    松山博昭

 

原作 LIAR GAME 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

 

出演 松田翔太/多部未華子/濱田マリ/要潤/小池栄子/船越英一郎/斎藤陽子/新井浩文/高橋ジョージ/野波麻帆/前田健/大野拓朗/竜星涼/芦田愛菜/渡辺いっけい/鈴木浩介/鈴木一真/江角マキコ

 

音楽 中田ヤスタカ

 

LIAR GAME (テレビドラマ) - Wikipedia

 

 

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