★★★★☆
あらすじ
将来に関わる問題を抱えた高校生が、アルバイトで盲目の男の面倒を見ることになる。
感想
アル・パチーノが相変わらず存在感を放っている。頑固で偏屈でプライドも高く、だけど女好きという面白い役柄を見事に演じている。その性格ゆえに兄弟にも煙たがられる寂しさや視力を失い退役して生きる意味を見いだせないむなしさが時折現れ、深みがある。
日本の自衛隊を考えると想像しにくいが、他国では軍人は敬意を払われ、社会的地位も高い存在なのだなと認識させられる。命を懸けて国のために奉仕をする組織で、しかもそこで高い位についていたのなら当たり前なのだろうが。
名門高校に通うクリス・オドネル演じる青年が事件の目撃者となり、その犯人を庇った為に退校の危機に陥るわけだが、事件の当事者ではなくただの目撃者なのにそんな目に合わせるなんて、ひどいなと思ってしまうのだが、アメリカでは普通なのか。
チクリはよく軽蔑の対象となるが、一方で嘘をつかないという事は美徳とされていて、その辺の兼ね合いがよく分からない。政治経済の大きな事件のときは真相究明が大勢の利益となるから正直に話し、真実がわかっても大して他者の利益とならないときには仲間を庇った方がいい、とかそんな感じか。難しい。逆をやってしまっている人がたくさんいそう。
何とも扱いにくいおじさんだったアル・パチーノ演じる男がクリス・オドネル演じる青年との交流を通して、だんだんと心を開放して魅力的になっていく姿が素敵だ。年配でも若者に教えるだけじゃなく、教えられることもたくさんある。
スタッフ/キャスト
監督/製作 マーティン・ブレスト
原作 Elefanti: Il Buio E Il Miele
出演
クリス・オドネル/ジェームズ・レブホーン/ガブリエル・アンウォー/ブラッドリー・ウィットフォード/ロン・エルダード/フランセス・コンロイ
音楽 トーマス・ニューマン
この作品が登場する作品
*直接作品名は出てこない