★★★☆☆
あらすじ
単語を当てるゲーム「ハングマン」に見立てた連続殺人事件が起き、犯人に指名された引退した刑事は、元同僚刑事と共に捜査を進める。
感想
毎日一人が犠牲になる進行中の連続殺人事件を追う刑事たち。次の犠牲者を出さないために何とか犯行前に現場を突き止めようとする緊張感のある展開が続く。ただよくよく考えてみると、現役の刑事がそんな状況にもかかわらず引退した元刑事と若い女性記者を引き連れて捜査を行っているわけで、のんきでお気楽な感じがしないでもない。
とはいえ24時間おきに事件が起きるし、それまでに次のターゲットが誰かを推理しなければいけないしで、スリルがあって惹きつけられる。相変わらず良い演技を見せる元刑事役のアル・パチーノと、彼に代わってアクションも担当する現役刑事役のカール・アーバンのコンビもなかなか良い。
ただ段々と犠牲者の人選があやふやで適当な感じになっていくのが残念だった。そしてそうなって来ると自然とこれまでの事件を冷静に振り返ってしまい、色々な粗が見えてきてしまった。そもそもなんとなく切迫した慌ただしい状況で誤魔化されてしまっていたが、意味あるように見えていた被害者たちも、よく考えてみると特に犯人とは何のつながりもない人がほとんどだ。ましてや殺す動機がない。それに女性記者の存在意義も特にないような気がしてきた。少しずつ色んなことに気付いてしまって、次第に心が冷めていった。
そして真犯人が現れ、事件の動機がただの逆恨みだったことが判明する。これにはかなり脱力してしまった。もっと他に恨むべき人たちはいただろうに、なぜこんな労力をかける必要があったのかと戸惑いしかなかった。さらにラストには、追い打ちをかけるように全然必要のない蛇足の演出が用意されていて引いてしまった。中盤までは良かったのに、尻すぼみ感がすごい映画だ。
スタッフ/キャスト
監督/製作総指揮 ジョニー・マーティン
出演
カール・アーバン/ブリタニー・スノウ/ジョー・アンダーソン/サラ・シャヒ