★★★★☆
あらすじ
言葉の通じない世界での心のすれ違い。
感想
異国の地や聾唖(ろうあ)といった事情などでコミュニケーションが充分にとれない世界を描いているから、このタイトルなのだろう。言葉が通じていてさえも、心がすれ違うことは多いのに。
出てる役者たちが皆いい演技を見せている。そして菊池凜子は体を張っている。この人はどの映画でも体を張っているような気がする。それからケイト・ブランシェットはいつも幸が薄い感じ。
菊池凜子のろうあの少女には、結構新鮮な印象を与えられた。映画やドラマの中の身障者というのは、描かれ方が一様になっている傾向があるが、この映画の中では、健常者と同様にふるまい、障害なんてたいした問題ではないと思っている少女を描いている。あまりそういう描き方というのはなかったなと。にもかかわらず、周りが勝手に線を引いてしまっていることに彼女は苛立ちを覚えるわけだが。
普段テレビで見る東京の街の風景も、外国人監督が撮ると何か違って見える。日本人には当たり前すぎて撮らないものや見過ごしているものに、外国人は異国を感じているのだろう。
様々な地で様々なことがあり、実はすべてがつながっているという話だが、だけどこれ、ブラッド・ピットたちが演じる夫妻は不幸すぎやしないかと。
スタッフ/キャスト
監督/原案/製作 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
脚本/原案 ギレルモ・アリアガ
出演
ケイト・ブランシェット/ガエル・ガルシア・ベルナル/菊地凛子/二階堂智/アドリアナ・バラッサ/ネイサン・ギャンブル/エル・ファニング/クリフトン・コリンズ・Jr/マイケル・ペーニャ/小木茂光