★★★★☆
ここに書いてあるすべてが残酷すぎるってわけでもなかったけど、遺伝は残酷な部分がある。犯罪者になる遺伝子を持っているなんて言われたらつらい。これに対して感情論のみで異を唱えたり、逆に積極的にそんな人間は事前に排除しようなんて動きが出てきたりする過剰な反応も怖い。恐らくは個々が自分の持つ遺伝子を認めて冷静に対応するって事が、正しい知識の活用法なんだろうな。
その他の事柄も興味深い内容ばかりだった。子供が親の言うことを聞かない理由とか。確かに人は現在所属する集団に溶け込もうとする。昔の友人と何年ぶりかに会っても昔話以外はそんなに盛り上がれないのはもう所属する集団が違ってしまっているからなんだろうな。
著者 橘玲