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「コズミック・シン」 2021

コズミック・シン(字幕版)

★☆☆☆☆

 

あらすじ

 人類が他の惑星に住むようになった2524年。敵対的な異星人が現れ、その対策のためにかつて残虐非道な行いで非難された元将軍が呼び戻される。98分。

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感想

 冒頭で、人類が宇宙に進出してから500年後の世界が舞台であることが告げられる。そしてさっそく異常事態が起きるのだが、どんなとんでもないことが起きたのかと思っていたら、それが宇宙人とのファースト・コンタクトだったのには拍子抜けしてしまった。今どきずいぶんと初歩的で古典的なことをやるんだなと驚いた。

 

 だがよく考えると現実世界では宇宙人とのファースト・コンタクトなんてもちろんまだ体験していないわけで、物語の世界だけで宇宙人との関係がどんどんと進歩し、設定が進化していっている現象は面白い。

 

 

 それから宇宙に出て500年も経つのに異星人と出会っていなかったの?と思ってしまったが、それもあり得ないことではないのだろう。人類の活動の場が他の星にも広がったとは言え、広い宇宙から見れば気付かれないほどの微々たる変化でしかない。これまで気づかれなかったのだから、その程度ではこれまでと大して変わらないはずだ。

 

 まずは人間の体を乗っ取った宇宙人が地球に現れて暴れ、それに危機感を募らせた主人公らが敵が猛威を振るう惑星に反撃のために乗り込む。古典的な設定や最初の戦いの様子を見て、宇宙を舞台にしたゾンビ映画ぽいことをシンプルにやりたのかなと思っていたのだが、段々と話はややこしくなっていく。色々な要素と色んなドラマが詰め込まれすぎて、いつの間にか何をやっているのかが全く分からなくなってしまった。

 

 おそらく監督の頭の中ではしっかりとしたヴィジョンが出来上がっているのだが、それを観客に伝える技術も時間も不足していたのだろう。それぞれはそんなに悪くない気はするので、それら各エピソードを一話ずつ丁寧に展開するドラマシリーズにすれば、ガンダムぽく意外と面白くなりそうではある。主要人物たちが思わぬタイミングで容赦なく退場していくのは意外性があって好きだった。

第41話 光る宇宙

第41話 光る宇宙

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 冒頭からいきなりクライマックスのような雰囲気を醸し出しており、起承転結の「結」の部分だけをいきなり見させられているような戸惑いがずっとある。中でも効果音や音楽が酷い。見ている者の気持ちに寄り添うものではなく、ここで泣け、ここで熱くなれ、ここで感動しろと感情を強要するような同調圧力になっていた。わけが分からなくなったストーリーをふんわりとした雰囲気だけで乗り切ろうとこちらは努力しているのに、逃げ場を防がれたような辛さがあった。

 

 だらだらと長いよりは全然いいのだが、それなら最後までシンプルなものにして欲しかった。消化できないものを次々と詰め込んでしまった印象だ。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 エドワード・ドレイク

 

出演 ブルース・ウィリス/フランク・グリロ/ロックリン・マンロー/コスタス・マンディロア/アデレード・ケイン 

 

音楽    スコット・グラスゴウ

 

コズミック・シン(字幕版)

コズミック・シン - Wikipedia

 

 

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