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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「ファイティング・テンプテーションズ」 2003

ファイティング・テンプテーションズ (字幕版)

★★☆☆☆

 

あらすじ

 叔母の葬儀に出るために久しぶりに故郷に戻って来た男は、ひょんなことから聖歌隊を率いてゴスペル大会に参加することになる。123分。

 

感想

 ゴスペルを題材にしたコメディ映画だが、冒頭からずっと笑えない白々とした空気が流れ続ける。変な間があってリズムが悪く、カメラの位置も中途半端でずっと空気が重い。スベり散らかしているので段々冷静になってしまい、その間に何が駄目なのかじっくり考えてみたのだが、緩急がなくて終始テンポが一定であることが最大の要因かもしれない。

 

 ビヨンセをはじめ、フェイス・エヴァンス、アンジー・ストーンらが出演し、ジャム&ルイスが関わっている音楽の方も、場の空気が悪いせいでいまいちハネない。序盤は特に、まるでリハーサルを見ているかのようにすごい冷めた目で見てしまった。とはいえやはり演者がすごいので、音楽に関しては時間と共に良くなってきた。それでも最後のクライマックスですら心躍るほどではなく、ハジけきれないモヤモヤは残った。ビヨンセの魅力も活かし切れていない。

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 このタイプの映画は笑えて音楽シーンが楽しければストーリーなんてどうでもいいものだが、たとえそのつもりだったのだとしてもなかなか酷い。どこかで見たことのあるエピソードを詰め込んでいるだけだ。しかも心の機微を描けておらず、ただ筋をなぞっただけのなおざりのものなので何も伝わってこない。2時間もある映画なのに、聖歌隊のメンバーどころか、主人公の人物描写すらまともに出来ていないのはある意味ですごいかもしれない。空虚な時間が流れていた。

 

 

 名だたるミュージシャンを備えたのだから、あとは適当でも「天使にラブ・ソングを・・・」みたいに大ヒットまちがいなしだろう、みたいな製作者の安易な目論見が透けて見えてしまう映画だ。これなら映画を見ないでサントラだけを聴いていた方がましなのでは?と思ってしまった。サントラのプロモーションビデオと考えれば、何とか見られるのかもしれない。

 

スタッフ/キャスト

監督 ジョナサン・リン

 

製作 デヴィッド・ゲイル/ロレッサ・C・ジョーンズ/ベニー・メディナ/ジェフ・ポラック

 

出演 キューバ・グッディング・Jr/ビヨンセ・ノウルズ/マイク・エップス/メルバ・ムーア/シャーリー・シーザー/アン・ネズビー/フェイス・エヴァンス/ラターニャ・リチャードソン/スティーヴ・ハーヴェイ/T=ボーン/フェイゾン・ラヴ/アンジー・ストーン/モンテル・ジョーダン

 

音楽 テリー・ルイス/ジミー・ジャム/ジェームズ・“ビッグ・ジム”・ライト

 

 

 

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