★★★★☆
あらすじ
隠し事なく恋人と暮らすため、過去の連続銀行強盗を自首する気になった男だったが、FBI捜査官に盗んだ金を着服され、さらに殺されそうになる。
原題は「Honest Thief」。99分。
感想
連続銀行強盗犯である主人公が自首しようとするなんて何か裏があるのかと思っていたのに何もなく、そのままの意味だった。原題の「Honest Thief(正直な泥棒)」がしっくりくる内容だ。ただ、刑期は二年以内で面会は自由の条件を付けるところがちゃっかりしている。実際はどうなのか分からないが、そんな交渉が出来るというのもまたすごいが。
主人公の自首がすんなりと了承されたらそこで話は終わりなのだが、電話を受けたFBIは全然信じてくれないし、なかなか逮捕にやって来ない。FBIとしてはいたずらも多いから疑心暗鬼で慎重になるのだろうが、相当な覚悟で電話した主人公にとってはたまらないだろう。しかもようやくやって来た捜査官は、盗んだ金を横取りし、殺人の濡れ衣を着せてきた。
オウム平田容疑者、警視庁出頭も「相手にされなかった」 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
そして主人公の汚名を晴らすための戦いが始まる。最初は攻撃をかわすだけの受け身だったが、徐々に主導権を握って敵の汚職捜査官を追い詰めていく。この捜査官が、本当にFBI?と思ってしまうくらい悪事に躊躇がない。憎たらしさが全開なので主人公の反撃が快い。
主人公が盗んだ金に一切手を付けていないとか、恋人がFBIをナメた軽率な行動を取り過ぎとか、FBIが証拠品の確認に主人公の立ち合いを拒絶するとか、不自然な点は多々あるが、テンポが良いのでその時はあまり気にならなかったりする。
唯一、なにも知らなかった恋人に主人公が真実を打ち明ける場面がやや冗長だったが、そんな話を簡単に信じて受け入れるわけがないので、時間をかけなければならないのは仕方がないだろう。ジョークを交えるなどの工夫はしていた。
主人公が自首しなければ何も起きなかったはずの、コメディにしても面白くなりそうな話だ。それなりに辻褄を合わせているのでストーリーに一応の納得感はあり、気軽に見るにはちょうどいいアクション映画となっている。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作 マーク・ウィリアムズ
出演 リーアム・ニーソン/ケイト・ウォルシュ/ジェイ・コートニー/ジェフリー・ドノヴァン