★★★★☆
あらすじ
知らずに犯罪組織から大金を騙し取ってしまった詐欺師チーム―のリーダーは、組織のボスにお詫びとしてライバル組織から金を騙し取ることを提案する。97分。
感想
詐欺師の主人公が敵に銃を突きつけられる絶体絶命のピンチから物語はスタートする。銃を向ける敵に状況を説明させられる形で、ここに至るまでの経緯が描かれていく。
まずは事件の発端となった詐欺の現場が描かれる。語り口が小気味よくて、いきなり気持ちよく騙してくれる。その後も程よい粒感にエピソードを分割して語ってくれるので、詐欺師ものにありがちな、仕組みが複雑すぎて訳が分からなくなってしまうこともない。ちゃんと内容を理解した上で最後まで楽しめるようになっている。
映画の雰囲気も良く、銀行員を騙すためにITスタートアップを目指す若者たちに扮して会食するシーンなどは、見事な空気感だった。主人公らメンバーがただ並んで道路上を歩くだけのシーンですらムードがあり、なぜかグッとくる。映像的にもスタイリッシュで見ごたえがある。
そして語られていた回想が冒頭のシーンにたどり着く。そこからの大どんでん返しは鮮やかだった。しっかり伏線が効いているのも気持ちがいい。アンディ・ガルシアやダスティン・ホフマンのクセ者的演技も光っていて、トータルでレベルの高い詐欺師ものとなっている。心地よく見られて、いい余韻に浸れる。
スタッフ/キャスト
監督 ジェームズ・フォーリー
出演 エドワード・バーンズ/レイチェル・ワイズ/アンディ・ガルシア/ポール・ジアマッティ/ブライアン・ヴァン・ホルト/ルーパス - フランキー・G/ロバート・フォスター/モリス・チェストナット/ルイス・ガスマン/ドナル・ローグ/タイニー・リスター・Jr./キャロル・リンチ/ルイス・ロンバルディ/リーランド・オーサー/ロバート・パイン