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「ナミビアの砂漠」 2024

ナミビアの砂漠

★★★☆☆

 

あらすじ

 脱毛サロンで働く若い女は、同棲していた男の家を出て、新しく付き合い始めた男と暮らし始める。

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 河合優実主演。137分。

 

感想

 21歳の若い女が主人公だ。友達と会っても話は聞いておらず、だけど空気を察してずるずると付き合う。普段も何かするわけでなく、誰かに誘われたら付いていく。朝起きてもただボーッとして、冷蔵庫の中にあるものをそのまま食べるような、本人の意思が感じられない女だ。

 

 基本的にあまり楽しそうではなく、積極的に関わろうともせず、いつも心ここにあらずのように見える。分岐点を何も考えずにぷらぷらと進み、行き止まりだったらふらふらと戻ってくるような生き方だ。

 

 

 そんな彼女の意志が強く感じられたのは、新しい男に会いに行くときくらいだった。だが同棲中の男を置いて飛んでいくのだからロクでもない。そして新たな男と暮らすことになるが、同棲中の男には別れを告げず、黙ったまま冷蔵庫などと共に去るのだからなかなかの身勝手ぶりだ。

 

 だが新しい生活も、いきなり男の秘密を知ってしまったことで暗雲が立ち込める。そして、ケガでしばらく車いす生活をした時に男に受けた、献身的なサポートがきっかけとなって、主人公の態度は尊大なものになっていく。やってもらうのが当たり前になり、男に不満をぶつけ、そして暴力も振るうようになる。

 

 主人公が男に「拾えよ」と命令するシーンが何度もあって印象的だったが、男がその度にちゃんと拾うのが可笑しかった。修羅場の連続で男にとっては地獄みたいなものだったのに、別れようとする気配がなかったのは不思議だ。前の男もそうだが、この映画では男が優しいというか、気弱な一面を見せる場面が多い。主人公が可愛くない女であるように、男もまたそんなに男らしいものでもないということなのだろう。

 

 終盤の、何の説明もなく主人公が暴れ、男が応じて延々ともつれ合うシーンには滑稽さが漂っていたが、この二人はこうやってこの後も暮らしていくのだろうなと思わせるものがあった。そして、前の男が作ったものであることにも気づかずハンバーグを食べているように、そんなことがあったことすら忘れて暮らす日々がいつかやってくるのだろう。

 

 ところでタイトルの意味は何だったのだろうと思ったが、「ナミビア」には何もないという意味があるらしい(諸説ある)。冒頭の喫茶店で繰り広げられていた周囲の会話やざわめき具合、また彼女の勤める脱毛サロンにも、茫漠とした砂漠を思わせるものがあった。色々あるのに何もない。未来に期待を持てない現代日本のリアルが感じられる。何もない彼女がそれでも生きていく物語だ。

ロケ地なぜ町田? 河合優実主演『ナミビアの砂漠』カンヌ受賞の山中瑶子監督に聞いた | 監督インタビュー | ロケなび!ロケ地・ロケ弁・撮影情報 無料検索サイト

 

 明確で分かりやすいストーリーがあるわけではないが、「映画を見たって何になる?」というセリフや、シュールなシーンなど、興味深い場面が続いてついつい見てしまう。だが演じているのが河合優実だから見ていられる、というのはあって、そうでなかったら、そんな面倒くさい女知るか!と言ってしまいそうではある。女優の魅力ありきの映画だが、勿論ありだ。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 山中瑶子

 

出演 河合優実/金子大地/寛一郎/新谷ゆづみ/中島歩/唐田えりか/渋谷采郁/澁谷麻美/倉田萌衣/伊島空/堀部圭亮/渡辺真起子

 

ナミビアの砂漠 - Wikipedia

 

 

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