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「ランボー/怒りの脱出」 1985

ランボー/怒りの脱出 デジタル修復版(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 収監中だったランボーは、恩赦と引き換えにベトナムの米軍捕虜奪還作戦に加わることになる。

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 シリーズ第2作。原題は「Rambo: First Blood Part II」。94分。

 

感想

 前作の事件で収監中のランボーが、大佐に取引を持ちかけられるところから映画は始まる。大佐の「あと5年も(刑務所に)いたくないだろう」という言葉に、あれだけ人を殺しておいてあと5年で出られるの?と驚いてしまった。

 

 しかも相手は保安官や州兵たちだったので、より罪は重くならないとおかしいが、事件の経緯とランボーの経歴を考慮したということなのかもしれない。一番の大きな理由は、罪が重すぎると観客が引いてしまうから、なのだと思うが。

 

 

 取引に応じたランボーは、現地の作戦本部に合流する。前作同様、大佐には子供のように従順だが、それ以外の人には人見知りのような態度を取り続けるランボーが可笑しい。

 

 そして作戦開始となる。トラブルがありつつも割とあっさりと成功したなと思っていたら、最後の最後で予期せぬ事態が待っていた。これは辛い。捕虜の奪還なんて実はしたくない米国の本音が露わになるのだが、土壇場でこんな仕打ちをされたら絶望してしまう。そりゃランボーも怒るわ、という話である。

 

 あと少しのところで捕まってしまったランボーだが、ここからまさに「怒りの脱出」が始まる。彼の救出のために現地諜報員のヒロインが潜入して来るのだが、彼女が何もしないうちにランボーが自力で敵の監禁から逃れてしまったのには、あれ?となってしまった。

 

 これではあまり彼女がやって来た意味がなかったなと思っていたら、一息ついたところでいきなり二人のロマンスが始まった。恋愛描写なんかいらないのに、と少しがっかりしていたら、そのわずか数分後にロマンスは突然終わりを迎えてしまった。すごい演出だ。あまりの突然の出来事に呆然としてしまったが、鬼のような試練ばかりを課されるランボーには同情しかない。これまた、そりゃランボーも怒るわ、と言う話だ。

 

 うまく怒りのボルテージが最高潮になったところで、ランボーの怒涛の反撃が始まる。銃撃戦、肉弾戦、ヘリでの爆撃と、次々と敵を圧倒する姿は最高にカタルシスがあった。とにかく爆薬を使ってデカい炎を上げておけばいい、みたいな馬鹿っぽい演出も、単純明快で清々しい。最後はしっかりと米軍司令官にも怒りをぶちまける。

 

 アメリカを称賛するような愛国映画と思わせて、国の欺瞞に不満を表明する反体制映画となっている。だが国を愛するが故にあえて苦言を呈すのは、愛国者のあるべき姿だろう。自分が愛するのと同じように国からも愛されたい、と訴えるランボーの言葉は胸に刺さる。自分が愛するほどには、国は自分を愛してなどくれない。それは常に肝に銘じておきたい。

 

 

スタッフ/キャスト

監督 ジョージ・P・コスマトス

 

脚本 ジェームズ・キャメロン

 

脚本/出演 シルヴェスター・スタローン

 

出演 リチャード・クレンナ/チャールズ・ネイピア/スティーヴン・バーコフ/ジュリア・ニクソン/マーティン・コーヴ/ジョージ・チェン

 

音楽 ジェリー・ゴールドスミス

 

撮影 ジャック・カーディフ

 

編集 マーク・ゴールドブラット/マーク・ヘルフリッチ

 

ランボー/怒りの脱出 - Wikipedia

 

 

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