★★★☆☆
あらすじ
宇宙の果てから地球に逃れ、人目を避けてアメリカの片田舎で暮らしていたソニックは、寂しさのあまり起こした事件により国家から目を付けられ、科学者に追われることになる。
セガの人気ゲーム「ソニック」シリーズが原作。
感想
人気のゲームシリーズを原作とする映画だ。だが主人公ソニックのデザインがしっくりこない。おそらく毛むくじゃらなのがなんか違うと感じてしまう原因だ。これよりも、ドラえもん的なツルツル、テカテカな表面の方がイメージに合う。
それに毛むくじゃらにするなら、不評で差し替えられた初期のキャラデザインの方が、体形はともかく顔はしっくりくるかもしれない。一応、そもそもハリネズミだし、抜け落ちた毛が物語で重要な役割を果たしたりするので、体毛がないと困る設定ではある。
敵から逃れてやってきた地球で、人目を避けて生きてきたソニックが、ひょんなことから国家にマークされるようになり、地元警官の男の助けを借りつつ逃亡する物語だ。孤独を感じていたソニックが、警官らと友達になり、道中ではしゃぐ様子がコミカルに描かれていく。彼を追う科学者役のジム・キャリーも安定の面白さだ。
ハイテク機器を用いる科学者との戦いも、見ごたえのあるアクションで楽しませてくれる。だがいまいち気分が盛り上がらないのは、主人公であるソニックにあまり感情移入できないからだろう。
それまで10年もたった一人でそれなりに楽しく暮らしてきて、一人で野球なんかも出来ちゃうくらいなのだから、別にソニックに助けなんか必要ないだろうと思ってしまう。彼が必要としたのは目的地までの案内だけなので、それなら地図を渡してしまえば、それで後は勝手にやれるだろうし、その方が早そうだ。応援するまでもないような気がする。
本当は一人で充分に出来るのに、寂しいがために他人を巻き込み、騒動を起こしているだけの面倒なキャラに見えなくもない。現実社会にもこんな人いるよなとふと思ったりした。それはともかく、突き詰めると、キビキビと超音速で動くキャラには、あまり好感が持てないということなのかもしれない。
音楽を効果的に使ったり、原作のゲームをイメージするような演出もあったりして、無難で悪くないのだが、物足りなさを感じてしまう映画だ。
スタッフ/キャスト
監督 ジェフ・ファウラー
製作 ニール・H・モリッツ/トビー・アッシャー/中原徹/伊藤武志
製作総指揮 里見治/里見治紀/前田雅尚/ナン・モラレス/ティム・ミラー
出演 ジェームズ・マースデン/(声)ベン・シュワルツ/ティカ・サンプター/ジム・キャリー/ナターシャ・ロスウェル/ニール・マクドノー
音楽 トム・ホルケンボルフ
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