★★★★☆
あらすじ
異世界にワープしてしまったマリオは、ピーチ姫に協力を依頼し、はぐれてクッパに捕まったルイージを助けに向かう。93分。
感想
マリオが登場する一連の人気ゲームシリーズを原作とする映画だ。馴染みのあるキャラクターや効果音、BGM等が続々と登場するので、それなりにゲームをやったことがある人ならこの世界観だけで十分に楽しむことが出来そうだ。
しかし、こうやって改めてマリオの設定を確認すると、配管工のひげ面の兄弟がキノコの世界でカメと戦い桃の姫を救出するとか、なかなかとち狂った世界観だ。しかもキノコを食べると大きくなるとか何の隠喩?と勝手に余計な想像が膨らんでしまう。キノコの幻覚かと見紛うようなカラフルな色彩は、ヒッピー文化の影響もあるのかもしれない。かなり奇妙なこんな世界観を、世界中の多くの人たちと普通に共有しているなんて、よく考えるとすごいことだ。
ルイージを助けたいマリオとキノコ王国を守りたいピーチ姫が、ドンキーコングに助太刀を頼み、世界征服を企むクッパと戦うストーリーだ。「マリオカート」や「ルイージマンション」など、マリオシリーズの様々なゲームが引用されながら物語は進む。序盤にマリオとルイージが横スクロールで仕事に向かうシーンにはグッと来た。
マリオがピーチ姫を助けるのではなく、一緒に戦う設定になっているのは今風だ。またいくつか笑えるシーンも用意されている。だが全体としては無難なストーリー展開だ。物語を楽しむというよりも、やったことのあるゲームがどのように映画に取り込まれているのか、それを確認して楽しむ作品と言えるかもしれない。しかもそれだけで全然満足できてしまう。
これで逆に凝ったストーリーだったり、しつこい笑いが用意されていたら、ノイズとなって邪魔に感じてしまったかもしれない。それに余計なことをすると熱心なゲームファンに叩かれかねないので、第一作目としてはこれで充分だろう(匂わせはあったが続編があるのかは不明)。中身は大したことないと気づかれる前にサクッと90分で終わるのも、潔くて好感が持てる。
ゲームの雰囲気を上手く映画に取り込むことに成功し、世界中のゲームで遊んだことがある親子、もしかしたら祖父・祖母の世代まで惹きつけることが出来るのだから、そりゃヒットするよなと納得してしまった。ディズニーと同じ強さを感じた。
スタッフ/キャスト
監督 アーロン・ホーバス/マイケル・イェレニック
脚本 マシュー・フォーゲル
製作 クリス・メレダンドリ/宮本茂
出演 クリス・プラット/チャーリー・デイ/アニャ・テイラー=ジョイ/ジャック・ブラック/キーガン=マイケル・キー/セス・ローゲン/フレッド・アーミセン/ケビン・マイケル・リチャードソン/セバスティアン・マニスカルコ/チャールズ・マーティネー/エリック・バウザ/スコット・メンヴィル/ジェシカ・ディ・シコ/チャールズ・マーティネー/リノ・ロマノ/ジョン・ディマジオ/カリー・ペイトン/ピエール・コフィン
音楽 ブライアン・タイラー/近藤浩治
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー - Wikipedia
関連する作品
同じゲームが原作の実写映画