★★★☆☆
あらすじ
政府が存在を隠すプレデターを目撃したことで病院に幽閉されることになった軍人だったが、他の軍人の患者らと共に脱出し、一緒に戦うことになる。
シリーズ第4作。107分。
感想
シリーズ4作目ともなると、初登場時は得体のしれないヤバい奴だったプレデターも雑な扱いになっている。今作では毎週登場する特撮ヒーローものの怪人のひとりくらいの存在感しかない。もはや圧倒的な怖さはなく、また来たねと親しみすら覚えてしまうほどだ。
これはプレデターという存在に慣れてしまったことが大きいだろう。最初は何者かも分からず、想像力をたくましくして勝手にビビって大騒ぎをしていたが、何度か遭遇するうちに驚くこともなくなり、冷静に対処できるようになった。
つまりは勝手なイメージで恐れたりしないで、ちゃんと敵を知ろうとすることが大事ということなのだろう。よく知ればそれほど恐れるものではないことが分かったり、そもそも敵ではなかったと気付いたりする。これは未知のもの全般に言えることだ。最近だとコロナ禍もそうだった。いつまでも想像だけでビビり散らかしているようでは進歩がない。
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主人公が心を病んだ軍人たちと共に戦う物語だ。彼らのコミカルなやり取りを交えつつ進行し、まるで陽気な傭兵軍団ものみたいなテイストがある。ただしあまり面白さは伝わってこないのだが。しかし80年代映画のような懐かしさはあった。
前半、そんな主人公らは政府の陰謀と戦う。だが正直、なんで政府と戦っているのかがよく分からなかった。元々は主人公が入手したプレデターのマスクを隠したことから始まるのだが、それを素直に政府に渡してしまえば終わる話だった。それなのになぜか抵抗し、戦いに参戦する。これは反骨心や軍人としての使命感からだったのだろうか。
また彼らに加わる学者の女が、なぜ軍人ばりに戦えるのかも謎だった。
そして何よりも問題なのは、プレデターが蚊帳の外になってしまっていることだ。一応は両者の戦いに割って入るように時おり現れるのだが、まるでついでのようで、軽んじられている。
皆が主役のプレデターそっちのけで争う構図になっており、何をしたいのだか分からない。これなら政府が主人公らを雇ってプレデターと戦うことにした方が、方向性がはっきりして良かったような気がする。
終盤に主人公らはようやく政府と協力して、というよりは彼らがいなくなって、プレデターと対決することになる。最初からそうしろよと思ってしまったが、この戦い自体はなかなか見ごたえがあった。政府側の敵役があっさりと死んでしまったのは意外だったが、グロい描写の中で仲間同士の熱い友情が描かれたりする。
その後の明らかに続編を意識した「アイアンマンか!」とツッコみたくなるような後日談には興ざめしてしまったが、とにかくいつも何かがひっかかる物語だ。素直に楽しまさせてくれない。
そもそもを言えば、今回人間とプレデターが戦う必要があった?と思わなくもない。誰かを一人連れ去ろうとしていたのでそれを阻止する必要はあったかもしれないが、余計なことばかりをしていたような気がしてしまった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 シェーン・ブラック
脚本 フレッド・デッカー
出演 ボイド・ホルブルック/トレヴァンテ・ローズ/ジェイコブ・トレンブレイ/キーガン=マイケル・キー/オリヴィア・マン/トーマス・ジェーン/アルフィー・アレン/スターリング・K・ブラウン/ブライアン・A・プリンス/イヴォンヌ・ストラホフスキー/ジェイク・ビジー
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