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「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」 2021 

ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結(字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 政府への協力と引き換えに刑期を短縮することを約束された極悪人たちは、クーデターが起きた中南米の島国に送り込まれる。

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 「DCエクステンデッド・ユニバース」シリーズの第10作目。

 

感想

 前作から引き続き登場するのはマーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインのみで、その他の悪人たちは今回から登場する新規のメンバーとなっている。キャストにメジャーな役者が少ないので最初は誰が主要メンバーがさっぱり分からなかったのだが、それを逆手に取ったような冒頭のメンバーたちの噛ませ犬ぶりは笑えた。思わせぶりに登場しておいて、早々に散っていく。

 

 その後に今回の主役たちが登場する。この展開からしてそうだが、脱力してしまうようなギャグがあちこちに散りばめられている。どこかイケていない特殊能力を持ったキャラクターたちの、間の抜けた活躍ぶりがコミカルに描かれていく。

 

 

 残虐でグロテスクな描写も多いが、どこかユーモラスだ。なんとなくAmazon Prime Videoのドラマ「ザ・ボーイズ」を連想してしまった。スーパーヒーロー映画に感じる欺瞞をネタとして笑い飛ばそうとしている。彼らを操る司令部の連中がヘラヘラしているのも良い。

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 登場人物の中ではピースメイカーが興味深かった。平和のためなら殺しも辞さないと公言する皮肉に満ちたキャラクターだ。こうした矛盾はリベラル陣営が指摘されがちだが、韓国のカルト宗教の思想的侵略はなぜか許せてしまう自称愛国者もいるのだから、どっちもどっちの話ではある。

 

 それぞれのシーンを見ればそれなりに面白いのだが、全体のストーリーとしてはまずまずの内容だ。クライマックスで登場するモンスターは「ゴーストバスターズ」のマシュマロマンのようでもあり、岡本太郎がデザインしたパイラ星人のようでもあった。

 

 いびつな連中による、いびつな働きぶりによって目的が達成されていく様子を見ていたら、実際の世の中も案外こんな風に回っているのかもしれないなと思ってしまった。役に立たない能力しか持っていないのになぜか偉そうな人がいたり、必要な能力を持っていないのに戦わされている人がいたりと全く適材適所ではないのに、それでも何とか世の中は動いている。皆の能力が身体的特徴として表れるように可視化されたら、この映画とそっくりな世界が立ち現れるのかもしれない。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 ジェームズ・ガン

 

原作 スーサイド・スクワッド:悪虐の狂宴(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)


出演 マーゴット・ロビー/イドリス・エルバ/ジョン・シナ/ジョエル・キナマン/デヴィッド・ダストマルチャン/ダニエラ・メルシオール/スティーヴ・エイジー/シルヴェスター・スタローン(声)/ヴィオラ・デイヴィス/ジェニファー・ホランド/アリシー・ブラガ/フアン・ディエゴ・ボト/ホアキン・コシオ/マイケル・ルーカー/ジェイ・コートニー/ショーン・ガン/タイカ・ワイティティ/ピーター・カパルディ/ピート・デイヴィッドソン/ネイサン・フィリオン/ホアキン・コシオ/ストーム・リード/ポム・クレメンティエフ

 

ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 - Wikipedia

 

 

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