★★★☆☆
あらすじ
良質な蚕を求めてヨーロッパから地の果ての日本まで旅する男と、それを待つ妻の物語。
感想
ともかく映像が美しい。光り輝くヨーロッパの庭園の風景。そしてモノクロにさえ見える日本の雪国。映像の美しさだけでも見ていられる。幕末の日本を描いた映画の映像はそんなに珍しいものではないが、この映画に登場する雪国の農村の様子は新鮮だった。
これは映画なので実際はどうだったのかは知らないが、わざわざ鎖国の日本に遠くヨーロッパから密入国してまで来る人間がいるのかと驚いた。商売人は凄い。最初はその道のりを丁寧に描いて「地の果て」感を出しているのに、何度か往復するうちにだんだん端折られていく。何度も同じ映像を見せるとダレると言う映画的な構成のせいだとは思うが、未知の場所に行くときは遠く感じるのに、慣れてしまうとそうでもない、というのも表現されているような気がした。
異国の女にハマった男の話といえなくもないとも思うが、実際は夫婦の物語。静かに夫を愛する女とそれに気づけなかった男の話。だと思うが正直ストーリ自体はよく分からなかった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 フランソワ・ジラール
出演 マイケル・ピット/キーラ・ナイトレイ/アルフレッド・モリーナ/芦名星/中谷美紀 /本郷奏多/ケネス・ウェルシュ
音楽 坂本龍一
撮影 アラン・ドスティエ