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「モダンタイムス」 2008

モダンタイムス(上) (講談社文庫)

★★★☆☆

 

あらすじ

 あるキーワードを組み合わせて検索した者に危害が加えられることに気付いたシステムエンジニアが、その真相を探る。

 

感想

 「ゴールデンスランバー」と同じように、今回も敵はでかすぎて見えない。でかいように見えて実はいないのかもしれない。そういう相手だ。確かに世の中には分かりやすい悪もあるが、誰が悪いのか分からない悪もたくさんある。

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 悪の根源にたどり着こうとしても、それに関わる誰もがそういうことになってるからそうしただけ、と答えてしまうような、そういったシステム。きっと誰かが意図的に作り上げたのではなく、いつの間にか出来上がったシステムだ。その過程をじっくり観察してみたら、人々の良かれと思ってやったことの積み重ねの結果だった、という事があったりするのかもしれない。そしてそのシステムが人々を苦しめているのだとしたら、どうやったら解決することができるのだろう。

 

 そんなどうしようもないシステムに挑んだ主人公達。よく分からない人物やよく分からない出来事が次々と現れるが、それを受け止めて進んでいくしかない。結構主人公達はひどいことをしているが、彼らなりの倫理観が貫かれているので、それで戸惑うことは無い。一気に読めてしまった。

 

 

 ただあとがきで言い訳しているが、作品中の登場人物に著者の名前が出てきたのはちょっとひいてしまった。あれで結構冷めた。

 

著者

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モダンタイムス (小説) - Wikipedia

 

 

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