★★★☆☆
あらすじ
同年代の仲間二人とともに、若いアメリカ人の家で共同生活を始めた若者。
感想
居るべき場所にいないような、どこか居心地の悪い不安をそれぞれが世間に対して感じながら日々を過ごしている。彼らが共に暮らすことでそれぞれが抱える不安を紛らわすことは出来たが、それぞれの不安を共有することにもなった。
そしていつの間にかどれが自分の不安でどれが仲間の不安なのか曖昧になり分からなくなってしまう。そして、どこに行ってもその不安が解消されることはなく、逃れることは出来ない。
一人称で始まり、途中で急に三人称になって、また一人称に戻るのが、不思議な感じで面白かった。
著者
大江健三郎
登場する作品
シューマン: ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54 - 第1楽章