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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「うつくしい人」 2009

うつくしい人 (幻冬舎文庫) 

★★★★☆

 

あらすじ

 周りの反応を窺って生きてきたOLが会社を辞め、リゾート地に一人で訪れる。

 

感想

 本当に自分のしたいことではなく、周りに評価される事をしようとする人。この小説の主人公はそうしている事に気付いていて悩んでしまっているが、世の中にはそうである事に無自覚である人のほうが多いだろう。常に仲間でつるんでその仲間内での評価だけを気にする人。いざ独りになると何をしていいのか分からず、結局は仲間にコンタクトを取る。彼らのいう「仲間を大事にする」は、実は仲間以外の人は大切にしない事だから「仲間しか大事にしない」となっている事も多い。

 

 主人公はそんな世界から離れて一人旅に出る。そしてそんな周りの評価を気にしない二人に出会って、本当の自分の気持ちを知る。3人がお互いに答えたくない質問をしてしまってグダグダ喋っているうちに、息を合わせたかのように同時に取り繕った答えをする会話シーンが気持ちいい。

 

 

 鬱屈した雰囲気で始まった物語が、3人の交流を通して次第に晴れやかになっていき、こちらまでそんな気分になる。

 

著者

bookcites.hatenadiary.com

 

 

 

登場する作品

愛のゆくえ (ハヤカワepi文庫)

 

 

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