★★★★☆
自腹で著者がFXに挑む。
リーマンショックの時期にFXを始めるなんて、さすが西原理恵子。もってるな、としか言いようがない。FXに関心があるから詳しく知りたいと思っている人がこれを読んでも、具体的な仕組みだの取引の仕方などの詳細は分からないが、その恐ろしさはよく分かってしまうと思う。
こういうところに自腹で立ち向かう西原の漢気はなかなかすごい。おかげで綺麗ごとではない生臭い人間味あふれる話になっている。しかもちゃんと自前の資金がゼロになるのを見届けてから撤退するのもすごいなと。もう負けは認めたのだから、少しでも損失を食い止めることはできたはずなのに。おかげでこういう他に類を見ないFX本が出来たわけだが。
この結末はなんだか暗い話になりそうなものなのに、本人が面白がってるし、面白かったって言ってるからこちらも楽しめる。でも、こんな肝っ玉のでかさは、どう考えても自分にはない。自分にはないから、こういう人の話を読んだり聞いたりするのは楽しい。
著者