★★★★☆
父親に見捨てられ、孤児院に育ったシャネルは、有名になる野心を持って暮らしていた。
シャネルは金持ちの男の家に居候するようになるが、フランス人の男女の関係に対する考え方がすごい不思議だ。曖昧な関係なのに家に居候させたり、近所に住まわせたり、だけど結婚する気は無かったり。結婚してないけど妾みたいな扱いなのかな。だけど妾のように日陰の存在ではなく、ちゃんといろんな人とも引き合わせられている。おおらかというか。
やがてシャネルは帽子店から始めてファッションの世界で成功するようになるが、大金を手に入れて、男たちと対等に接するようになるのが印象的だった。お金を得るということは自由になるという事なんだな。金があることで好きな事を、好きなようにできるようになる。逆に言えば男は女たちを働かせずに遊ばせておくことで、女たちの自由を奪って優位に立っていたという事でもある。
シャネルのファッションはそういう自由のない女たちが、男達から目を引くようなファッション、そしていつの間にか女の服装とはそういうものだと女自身ですら思い込んでしまっていたファッションに対する固定観念から解放するものであったんだなと感じた。
そういった世間の常識に挑む役をオドレイ・トトゥが好演している。彼女はいい女優だ。ココ・シャネルの意志の強さがよく表現されていた。
ココ・シャネルというよりも女性が社会へ進出していく様子を、彼女を通して描いている。そんな映画だった。
監督/脚本 アンヌ・フォンテーヌ
原作

ココ・アヴァン・シャネル 上―愛とファッションの革命児 (ハヤカワ文庫 NF 350) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: エドモンド・シャルル・ルー,加藤かおり,山田美明
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/08/20
- メディア: 文庫
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出演 オドレイ・トトゥ / ブノワ・ポールブールド / アレッサンドロ・ニボラ / マリー・ジラン / エマニュエル・ドゥボス
登場する人物
ココ・シャネル