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「ニューヨークの巴里夫(パリジャン)」 2013

ニューヨークの巴里夫(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 別れた妻が連れていってしまった二人の子供にいつでも会えるよう、パリからニューヨークに引っ越すことにした小説家。 

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 「スパニッシュ・アパートメント」から始まるセドリック・クラピッシュ監督の青春三部作の三作目。

 

感想

 「スパニッシュ・アパートメント」は随分と昔に見た事があって、内容はサッパリ忘れてしまったが、面白かったということだけは覚えている。この映画はその三作目なので、前の二作を観ておいた方がより楽しめるに決まっているが、そうでなくても充分楽しめそうな内容になっている。

 

 40歳になってパリからニューヨークに移り住んだ男の、子どもたちや元妻、友人たちとの関係や、ニューヨークという異国の地で暮らす奮闘ぶりをコミカルさを交えつつ描いている。そしてそこから見えてくるのは「人生」だ。人生をどう生きるか、そんな大きな視点も感じられる。

 

 

 しかし、主人公は妻と別れて子供と離れ離れになり、新たな土地に移り住みと、色々と大変な状況にいるのに、いつも女性に囲まれているのは羨ましい。なんだかんだでモテている。その結果が三人の子どもの親ということなのだろう。うっかりすると自分の子供が何人いるか、間違えてしまうというのは面白かった。

 

 そしてニューヨークという都市の魅力も伝わってくる。最初は世界中から人が集まり、どこでもゴミゴミして騒々しい、ということを強調して描いていたが、次第にいろんな人がいることの面白さが分かってくる。色んな人がいるから色んな事が起こり、思いもつかない展開になることもある。とても可能性を感じる刺激的な街だ。

 

 そんな街に影響されたのか、いつの間にか主人公も大所帯となって結末を迎える。どんどんと人が集まり賑やかで楽しそうだ。人が集うというのは本能的な事なのだろうなと実感した。ただ、彼がこんな結末を迎えられたのは、40歳であっても新たな生き方に踏み出せたからだろう。人生にどん欲であることは大切なことだ。

 

 映画は、変に冗長になることのない小気味の良いテンポで進み、音楽も良くて、心地よく観ることができた。最後のオチもきれいに決まって、余韻に浸れる。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 セドリック・クラピッシュ

 

出演 ロマン・デュリス/ジュディット・ゴドレーシュ/オドレイ・トトゥ/セシル・ドゥ・フランス/ケリー・ライリー/サンドリーヌ・ホルト/ブノワ・ジャコ


音楽 ロイク・デュリー/クリストフ・ミンク

 

ニューヨークの巴里夫 - Wikipedia

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前作 青春三部作の第二作目

 

 

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