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「幸福の黄色いハンカチ」 1977

幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター2010

★★★★★

 

あらすじ

 女にフラれて車で北海道旅行にやって来た若い男は、現地で出会った見知らぬ男を同乗させることになる。

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 キネマ旬報ベスト・ワン作品。

 

感想

 武田鉄矢は貴重な俳優だなと感じさせてくれる映画だ。身の程知らずで虚勢を張り、調子に乗りやすく、男前でない。それでいて悲壮感はなく、コミカルな印象を与える。この人が映画の中でいろいろチャチャを入れるだけで、映画に動きが出る。この映画の中でも、前半は彼の魅力で惹きつけている。

 

 桃井かおりの演技や昭和感のせいなのか、どこかじっとりとした印象を与えるのが日本映画らしくていい。前半は、たまたま出会った3人が何度も別行動を取ろうとするもいつの間にかまた一緒に行動することになり、段々と3人の中に絆が生まれていく。

 

 

 後半は無口で謎めいていた高倉健演ずる男が中心となって、物語は進む。彼が自らの境遇を語りだすのも自然だ。無口だった人間が突然口数が多くなるのは不自然なものだが、他の二人に負い目のようなものを感じさせることで、ぽつぽつと語らざるを得なくしている。

 

 ラストの有名なシーンは、ちょっとハンカチが多すぎなのがどうかと思うが、高倉健演ずる男を残して邪魔しないようにすぐに立ち去る若者二人が粋だ。武田鉄矢もいつの間にか男前になっている。

 

 人生に希望を持てなくなった中年男を、まだ無邪気な希望ある若者たちが、人生の悲哀を感じながらも励ます映画だ。だが今だったらどうなのだろう。若者は、こんな中年男を励ますことが出来る程、無邪気に未来を信じているのだろうか。逆に諦めるよう説教するような気がしてしまう。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本

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脚本 朝間義隆

 

原作 「黄色いリボン」 「ニューヨーク・スケッチブック (河出文庫)」所収

 

出演

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倍賞千恵子/桃井かおり/武田鉄矢/太宰久雄/梅津栄/三崎千恵子/たこ八郎/谷よしの

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幸福の黄色いハンカチ - Wikipedia

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