★★★★☆
あらすじ
誰にも行先を告げずに渓谷にトレッキングに出かけた男が事故に遭う。
感想
序盤の大自然、雄大な景色、開放的な女子と、やっぱ自然はいいよな、人間らしくなれる、なんて思わせておいてから、絶望に突き落とすスタイル。ショッキング。やっぱ自然は厳しい。きっと自然にとっては、人間が知らずに虫を踏み殺しているくらい、些細なことでしかないのだろう。
しかし、こういう登山とかアウトドアが好きな人というのは、自然派志向というか、五感で自然を楽しむ人なのかと思ったがそういうわけでもなさそうだ。不気味な色のゲータレードは飲むし、ヘッドホンで音楽を聴きながら渓谷歩いてるし、デジカメやビデオなんかの文明の利器を活用している。自然を楽しむというよりも、スリルを楽しんでいるのかもしれない。でも無理をしていない感じが逆に自然だ。
映画は事故が起きた後からは、当然だが、ほぼ一か所で展開される。それでも展開が停滞しないのが凄い。生きるために知恵を絞ったり、人生を振り返ったり、夢を見たり、おかしくなったり、死を覚悟したり。実際こんな感じなのだろうなと思わせる。
もし脱出するならこの方法しかないのだろうな、と思いながらも、いやいやそれはいくらなんでも、と考えないことにしていた方法で、ついに主人公は脱出する。壮絶。試写会で失神した人がいたらしいが、本当に見ていられなかった。
しかもこれが実際にあった話、というのが凄い。あんな中で正気を保って、冷静に決断し、実行する。なかなかできることではない。自分だったら確実に死んでいる。あんな状態で死ぬのはいやなので、安全に整備された範囲内で自然を楽しむことにしようと思わせられた。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作 ダニー・ボイル
脚本 サイモン・ボーファイ
出演 ジェームズ・フランコ/ケイト・マーラ/アンバー・タンブリン/クレマンス・ポエジー/リジー・キャプラン/ケイト・バートン/トリート・ウィリアムズ
編集 ジョン・ハリス