★★★★☆
あらすじ
大学を卒業して放浪の旅に出た若者が、アラスカの大自然の中で自力で生きる。
感想
放浪の旅には憧れるが、この主人公のような放浪は無理だ。ワイルドすぎる。
お金に振り回され、世間体を気にする人たちに嫌悪感を抱き、なにものにも囚われない生き方を目指し旅に出る。そして無駄なものは自分から切り離し、身軽に自由になり、素晴らしい景色を見る。世の中に旅人はたくさんいるかもしれないが、長く旅をしている人で、こういう信念を持って旅をしている人は少ないだろう。何かから逃げたり避けたりするために漂っている人がほとんどのようなイメージがある。この主人公のように堂々としている人は少ない。
世間から離れ、自然と対峙して生きようと旅に出ても、その旅の途中であった様々な人々との出会いや交流が、主人公の心に残る出来事となっているのも興味深い。結局人間は一人では生きられないという事なのかもしれない。
アラスカの大自然の中で生き物を殺して食料とし、孤独の中で己と対峙する。もう壮絶だ。その体験の中で、生きるための光のようなものが見えて世間に戻ろうとしたが、大自然に阻まれ戻ることが出来ず、あのラストに至ったのは本当に残念だ。実話だから仕方ない事なのだが、戻った彼がどんな人生を歩むのか知りたかった。
最後の最後まで自分らしく生きた主人公の姿に胸を打たれる。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作 ショーン・ペン
原作 荒野へ (集英社文庫)
製作 アート・リンソン/ウィリアム・ポーラッド
出演 エミール・ハーシュ/マーシャ・ゲイ・ハーデン/ウィリアム・ハート/ジェナ・マローン/ブライアン・ディアカー/キャサリン・キーナー/ヴィンス・ヴォーン/クリステン・スチュワート /ハル・ホルブルック/ザック・ガリフィアナキス
音楽 マイケル・ブルック/カーキ・キング/エディ・ヴェダー