★★★★☆
あらすじ
シベリアの強制収容所に送られたポーランド人の男は、仲間とともに脱出を図る。
感想
こういった脱獄ものは普通、追手との心理戦のようなものが中心となるが、この映画では追手の存在感はゼロだ。その代り、大きな存在感で彼らの前に立ちふさがるのが過酷な大自然。「シベリアそのものが刑務所」とは上手いこと言ったもので、逃亡犯を追わなくても大自然が殺してくれる。
そんな中であらゆる生存のための知恵を総動員して、南へ向かう主人公たち。こういうロクに道具もない中で、どちらが南かとか、吹雪をしのぐにはどうすればいいかとか、生き抜くために必要な知恵はどうやったら身につくのだろう。子供の頃に大自然と触れ合うことで自然と身につくようなイメージだが、大人になってからでも身につくものなのだろうか。
過酷な極寒の地域を抜けてようやくソ連国外へ出られたと思ったら、モンゴルも共産圏で中国にも行けず、さらに南下しなければならないと決断するのはなかなかきつい。今度はゴビ砂漠の灼熱の中を歩かなければならない。厳しい大自然の中でも、水も食べ物も日光を遮るものも何もない砂漠がダントツで過酷そうだ。
途中で脱落者を出しながらも助け合い、協力しあって前進する仲間たち。マフィアのロシア人がいることで微妙な緊張感が漂っていたり、女性が途中加わることで集団の空気が少し変わったりと、そんな中でもグループ内の関係に変化が見られるのが面白い。
十分過酷な旅だとは思ったのだが、改めて彼らの足跡をGoogle Mapで確認してみると、多分これでも相当端折っているというのがよくわかって、驚嘆させられる。
こんなすごいことをやり遂げたのだから、彼らのその後の人生がその甲斐があったと思えるような人生であってほしいのだが、きっとそんな簡単な話ではなかっただろう。大自然も厳しいが、人生も厳しい。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作 ピーター・ウィアー
原作 脱出記―シベリアからインドまで歩いた男たち (ヴィレッジブックス)
出演 ジム・スタージェス/エド・ハリス/シアーシャ・ローナン/マーク・ストロング/グスタフ・スカルスガルド
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