★★★☆☆
あらすじ
金に困った売れない脚本家が、今は世間に忘れられたかつてのスター女優と出会う。
感想
忘れ去られた大女優と言っても、まだ50歳で結構若い。無声映画からトーキーへの切り替わりで消えていった女優ということなのだろうか。しかしいつの時代も昔は良かったと言う人は必ずいるものだ。
かつての名声時代で時が止まったままのような、朽ち果てていく大豪邸に、異様なオーラを放つ執事と共に住む大女優。どこか現実感の乏しい、幻のような世界だ。同様に過去の人となってしまったスターたちと興じるカードゲームが印象的。あとで知ったが、実際に無声映画のスターだったバスター・キートンらが演じている。
未だにスターだと思い込んでいる彼女には物悲しさを感じるが、ひょんなことから映画スタジオを訪れた際には、かつてのスタッフらを中心に彼女の周りに大勢が群がる。彼女も生き生きとした表情を見せ、その色褪せない片鱗もうかがわせている。
ラストの呆然と立ち尽くす記者や警察たちの間を、ゆっくり、ゆっくりと階段を降りていく最後の大演技は、喜びや狂気といった様々な感情を含んで鬼気迫るものがあった。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ビリー・ワイルダー
出演
グロリア・スワンソン/エリッヒ・フォン・シュトロハイム/ナンシー・オルソン/ナンシー・オルソン/セシル・B・デミル/バスター・キートン/アンナ・Q・ニルソン/ヘッダ・ホッパー/ジェイ・リビングストン/レイ・エバンズ
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